「熈代勝覧(きだいしょうらん)」は江戸時代、文化2年(1805年)に制作された絵巻です。日本橋通りを上空から眺めている構図で、神田今川橋から日本橋までのおよそ7町(だいたい760mくらい)を描いています。1軒1軒の商店と人々の賑わいがイキイキと描かれている作品です。
絵巻について詳しくは2022年の記事『江戸時代の日本橋絵巻「熈代勝覧」』で紹介していますのでご覧ください。
今回は歴史CG作家中村宣夫が制作した『熈代勝覧』をご紹介します。
『熈代勝覧』に描かれている日本橋通りの7町分の商店と、裏通りや裏長屋まで、広範囲にわたる作品です。屋根瓦や看板などまで1つづつ細部に渡り精巧に制作しています。この作品を見ると江戸の町は美しかったのだろうなと、改めて思います。






現在放送中のNHK大河ドラマ「べらぼう」は蔦屋重三郎の話ですが、彼は1750~1797年に生きていました。『熈代勝覧』は1805年に描かれているので蔦屋重三郎の死後5年ほど経った頃の作品です。当時は5年10年で街が激変することはありませんから、こんな景色の江戸の町で生活し、多くの作品を世に出して行ったのだろうなと思いを巡らせます。

