CG制作風景

本日は制作風景をご紹介。3dsmaxを使用して制作しています。アニメやゲーム制作などでも使用されているソフトです。

こちらは江戸城本丸御殿です。将軍や役人たちが実務などを行ったところです。天守閣は太平の世では権力の象徴に過ぎず、大切だったのはこちらの本丸御殿です。将軍が出てきて、全国の大名が「はは〜」と頭を下げる大広間や、忠臣蔵の舞台の松の廊下もここですね。

江戸城に関する本や国立博物館にあった図面などを参考にしながら10年も前から作っているのですが、本丸御殿は広大だし、なかなか終わりません。できたと思ったら、自分でミスに気がついたり、別の資料を見ると違かったりと、苦戦中。

こちらも本丸御殿です。同じように見えますが、別の日です。複雑すぎてよく分からない。

こちらは江戸城天守閣の制作風景。モデリング(形状を制作)して、レンダリング(色をつける?的な感じ)しています。3代将軍家光が建てた天守閣。これが江戸城最後の天守閣です。武器倉庫として使われていたそうです。

川越観光(穴場情報)

最近急に暖かく(暑く?)なってきましたね。連休も近いのでお出かけしたくなります。ここ数年、東京近くの観光地、川越が人気です。週末はコロナの影響も薄まってるのか、人が多く、ちょっとびっくり。そんなことで、おすすめ穴場情報です。

時の鐘近く、人通りがちょっと少ない裏道を行くと「旧山崎家別邸」があります。こちら、国指定の重要文化財で、川越の老舗和菓子店「亀屋」の五代目の隠居所として大正14年(1925年)に建てられた和洋折衷のお屋敷ですが、まさに穴場です。休日の午後3時頃行ったのですが、私たちの前に1組、帰る時に1組、と人が少なくゆっくり見学できます。特に午後の方が人が少ないようですね。しかも、入館料大人100円、学生50円、中学生以下無料! 

小さめの邸宅ではありますが、まさに大正ロマン風情のある建物で、ステンドグラスが所々あしらわれていて可愛い。木と畳の和の空間は落ち着くので、人も少ないこともあって、縁側でちょっとのんびりしちゃいます。小さめなので、あともう1か所どこか寄りたい、っていう場合にもおすすめです。でも、こんな素敵な文化財を見てもらえないなんてもったいない!

蔵の街からちょっと距離はありますが、「川越城本丸御殿」です。東日本唯一現存の本丸御殿で、県指定有形文化財です。なのに、ここも混んでないですね〜。入館料大人100円、学生50円、中学生以下無料ですよ!お城の広間ってこんな感じだったのか、とか、廊下広いな、とか、実体験できます。全国各地に城がありますが、城の象徴である天守閣は戦国時代に必要だったもので、平和な江戸時代には、この本丸御殿での日常の業務が城の重要な役割だったわけで、この本丸御殿の中を役人が行き交い職務に励んでいたのかな、とか想像を巡らせてしまいます。

本丸御殿の向かいにあるのは「三芳野神社」。わらべうた『とおりゃんせ』発祥の地です。もともと川越城内にあったため、一般の人の参拝がなかなかできなかったため、このように歌われたと伝えられています。こちらも県指定文化財です。数年前に修復工事がされたようで、綺麗でした。森林浴をしてホッと一息。鳥居の近くにはなんと猫ちゃんがお出迎えしてくれます!人懐っこくって、猫好きには絶対オススメです!

穴場ではないですが、、、。

本丸御殿と合わせて喜多院の江戸城紅葉山の別殿を移築した客殿も見ていただきたいです。三代将軍家光の「誕生の間」もあり、皇居では見れない、江戸城の一部がここに残っています。ただ、こちらは穴場とは言い難いです、、、。庭園もあり、のんびりしたいけど、混んでる可能性もあります。喜多院の奥には仙波東照宮があります。岩佐又兵衛の三十六歌仙が見つかったところですね!(ちなみに三十六歌仙は「埼玉県立歴史と民俗の博物館」にあるのでこちらでは見れません。詳しくは「三十六歌仙額」のページをご覧ください)こちらは小さくコジンマリしているので、気が付かない人も多いのか、人が少なく、穴場です!

中村は城のCGを製作するのに、この江戸城本丸御殿と喜多院の客殿を参考にしています。本物ですからね、、、。身近に本物に出会える幸せ。

アクセスや開園時間等は川越市観光スポットページからご確認ください。https://www.city.kawagoe.saitama.jp/welcome/kankospot/index.html

CG制作の裏話(?)小江戸川越

古い街並みを制作するのに参考になるのは当然古い街並みです。

川越に住んでおりますので、素材が身近にあるのはラッキー!というか歴史のある街だから引越して来た、というか。いくら綺麗で整備されていても、新しい家や店ばかり並んでいるのはどうも落ち着かないのです。ごちゃごちゃしていても昔からの人の営みを感じられる文化のある土地が好き。

川越に引越してかなり経ちますけれども、以前は浅草に住んでいました。浅草、大好きで、今でも時々浅草に行きたくなります。でも、浅草と同じくらい川越も好き。なんといっても江戸より古い歴史があり、当時の物が残されているのは最大の魅力です。残念ながら浅草は東京大空襲で焼け野原になってしまったので、古い建造物が遺されているは浅草神社の社殿くらいでしょうか、、、。

蔵造りの街並み

川越のメインストリート、有名な明治時代の蔵作りの商店が並ぶ街並みは壮観です。ちょっと裏道に入っても古い醤油蔵があったりと、歴史と文化が残されています。(ご近所でミニ観光ができるのも楽しい)日本建築だけで無く、かわいい洋館も味わい深いです。

メインストリートから数分歩いたところ、平安時代に創建された喜多院には江戸城の一部が移築されています。あまり知られていないのでは無いかと思いますが、ここでは本物の江戸城紅葉山にあった「徳川家光公 誕生の間」「春日局化粧の間」が見ることができます。皇居に行っても見れないのに、、、。江戸好きの人には是非ぜひ、喜多院に来て本物を観て欲しいです!さすが小江戸です。

また、川越城は嘉永元年(1848年)に建てられた本丸御殿の玄関・大広間・家老詰所が残っています。どこぞのコンクリートで再建された天守閣よりも余程、当時の城の規模や風格が伝わります。喜多院もそうですが、本物の廊下の広さとか木の太さとか板戸の大きさとか、やはり本物観ないと分からないことは多いですよね。

先日行ったときは、緊急事態も終わって、蔵造りの街は混んできましたが、喜多院や本丸御殿は比較的空いていました。もったいない!本当に見て欲しい。食べ歩きも楽しいけどね。

埼玉県指定文化財 川越城本丸御殿 (東日本唯一の本丸御殿遺構)
本丸御殿内部の廊下

こういった建造物は本物の質感、空気感も含めて全てCGの素材になります。また有名な重要文化財だけでなく、古い木造の民家なども多く残っているので、川越に越してきた頃は、あちこちに残る素材集めのために川越を奔走していました。ということで、江戸時代のCG作品には密かに川越の町が含まれているのです。

世界ふしぎ発見!

先週の土曜日6月19日放送の「世界ふしぎ発見!歴史を変えた名城スペシャル」で家康が作った江戸城の再現CGが放送されました!

江戸城の初代天守と五連続枡形虎口のCGです。番組でも紹介されていましたが、城の作りからその時代背景を窺い知ることができておもしろいですね。戦乱の世だからこそ作られた、大きな天守閣と敵を欺き攻撃するための仕組み。

五連続枡形虎口は5重に門を配置し、門と門の間に敵を閉じ込め攻撃します(これを「江戸返し」というそうです)。鉄壁の防御ですね。また、高さ約68m(推定)の大天守1つに小天守が2つある連立式天守は漆喰で真っ白に塗られ美しく、徳川の力の象徴でした。逆に泰平の世になってからは天守閣は再建されなかったことが、江戸時代の平和の象徴になりました。

家康の頃の大きな天守閣が現存していたら、どんな感じだったのかと想像を巡らさずにはいられませんよね。現在の丸の内ビル群の中にそびえていたら、堂々とした佇まいに威圧感を感じるのでしょうか。それとも高層ビルに埋れてしまっているのか、、、。

私は当時から残っている国宝の城は松本城しか見たことはありませんが、その重厚感と迫力、美しさは格別です。江戸城はその何倍ですので現代の大都会の真ん中でもきっと美しく威厳を持って鎮座していたでしょう。

江戸橋から望む日本橋と江戸城

江戸橋から望む日本橋と江戸城

こちらのCGは江戸橋から見た日本橋です。その奥の橋は一石橋。
橋のさらに奥には江戸城が見えます。
日本橋を右に行くと越後屋(現在の三越百貨店)、左に行くと銀座方面です。
江戸城の背後には富士山が望めますね。富士山バックの江戸城なんて、当時は美しい風景が見られたのでしょう。残念ながら現在の日本橋からは高速道路と銀座のビル群しか見えません、、、。
美しい木造の日本橋。当時の大工さんの技術の高さがうかがえますね。江戸東京博物館で実物大で再現展示されていますが、これが東京のど真ん中に掛っている姿を見てみたいものです。
日本橋は五街道の起点で、ここから東海道、中山道、日光街道、奥州街道、甲州街道が伸びていました。
現在も東京の中心ですが、5つもの街道の始まる場所ですから、そりゃあ、経済的に発展するのも当然です。常に賑わい、江戸っ子の誇りでもありました。

江戸城の天守風に見えるのは実は現存する富士見櫓です。この作品は1800年頃の江戸の様子なので天守は存在せず、富士見櫓がその代わりを果たしていました。ちなみに、天守がかつてあった場所は、もう少し右側、日本橋の右のたもとを上に見上げた辺りだったそうです。
巨大な天守は壮大で威厳があって、徳川の力の象徴でした。