第二弾Kindle出版「浮世風呂」出版しました

やっと第二弾のKindle電子書籍「浮世風呂」出版いたしました。

前回から半年掛かってしまいましたが、今回は江戸時代後期のお風呂屋さん「湯屋」のCGに詳しい解説を添えております。ということでこちらの解説を書き、編集をするのに時間が掛かりました。第一弾の「江戸城」はCGを写真集のように見て頂ければ良いのではないかと思い、文章は極力減らしたのですが、やはり、作品を楽しんでいただくためにも解説は必要、という事で、今回は頑張りました。

日本人は風呂、銭湯、温泉が大好きです。そのルーツ、江戸時代後期の銭湯を精密に製作した3DCGと解説で、当時の湯屋の様子が分かる1冊になっています。江戸の湯屋は単に体を清潔に保つためだけではなく、人々の交流の場、癒しの場で、大切な江戸文化の一つでした。また、歴史CG作家 中村宣夫は25年以上、江戸の町を作り続けていますが、その原点は湯屋です。式亭三馬の「浮世風呂」の世界を再現したCGが初めての作品です。CG作品が江戸の町へと広がる始まりの作品をご覧ください。

目次

銭湯だけでなく、江戸時代の内風呂や将軍の風呂、遊郭の風呂まで掲載しております。是非ご覧ください。

編集後記・・・半年ぶりの出版なので、電子書籍化するのも若干忘れており、前回出版した時の自分で書いたブログのページを見て思い出しながら作りました。原稿をjpgにするまでは良いんですよね。いつもやっている作業なので。Kindle Comic Creatorになった途端、忘れているんです。若干バタつきつつも出来たのでAmazonにアップして販売したら、早速2つミスに気がつきました、、、。一つは対象年齢の表示が間違えていた事、こちらはKindle direct publishingの管理ページで簡単に直せます。ただ再認証してもらわないといけないので若干時間が掛かります。一度アップするとAmazonの許可が必要になってくるので、アップする前によく確認しないといけないですね、、、。もう一つのミスは、スマホで見ると縦横の回転をしないのでとても見にくい、、、。こちらは大問題です。私のスマホのせいかと思ったら、どうもそうじゃないらしい、、、。Kindle Comic Creatorで作る際の設定で、横向きに固定していたせいだと思うので、作り直しまして、再度データをアップし直し、認証もすぐ来て無事(?)販売されました。

寛永行幸を3DCG化〜その壱

寛永行幸って知ってますか?私は最近まで知りませんでした。かなりの歴史好きの人か日本美術オタクじゃないと知らないですよね。その「寛永行幸」を知ったきっかけは、夫に「寛永行幸が400年を迎える2026年に大々的にイベントをやりたいので、その一環として『寛永行幸』をCGで再現しませんか?」というお話を頂いたからです。江戸日本橋が舞台の絵巻「熈代勝覧」の再現CGを制作していたのでそのイメージで京都の町も作りたいと思って頂けたようです。ちなみに夫は寛永行幸のことは知っていました。さすが歴史オタク。

「寛永行幸」とは寛永3年(1626年)9月6日、天皇が徳川将軍の京都での居城二条城に行幸したことで、5日間にわたる一大行事となりました。招いた将軍は大御所徳川秀忠と三代将軍徳川家光です。招かれたのは後水尾天皇、中宮和子(ちゅうぐうまさこ)と天皇一族です。※「行幸」とは天皇の外出を敬っていう語

武家に対する行幸は豊臣秀吉の聚楽第行幸以来約40年ぶりで、天皇家と徳川家の親密さをアピールしました。二条城では贅を尽くしたもてなしがなされ、京都市中では長い戦国時代の後、平和を享受する民衆が行幸に歓喜しました。残念ながら翌年に幕府の朝廷支配を告げる「紫衣事件」が起こり朝廷と幕府との軋轢が起こり、蜜月は終わりを告げてしまいますが、、、。

この歴史的な行幸について多くの記録が残っているそうですが、文献は正直、素人には読めないし、やはり絵画が当時の様子を知るには一番です。その中でも六曲一双の屏風にその様子が描かれた作品「二条城行幸図屏風」は圧巻です。と言っても現物は京都にあるので気軽に見に行けない!なのでまた本で楽しみます。

こちらの本はとても分かりやすく、見やすく書かれていて非常に参考になりました!

寛永行幸を描いた屏風はいくつか残されていますが、泉屋博古館所蔵の「二条城行幸図屏風」は御所から中立売通を行き、堀川通を南下して二条城に入城するまでの様子が描かれています。当時の煌びやかな行列の様子や、民衆がこの行幸を楽しみにして桟敷席を作り、飲み食いしながら見物している様子が描かれており、お祭りのように楽しまれていたのが伝わってきます。

六曲一双の全体図。かなり良い良い状態で残されています。現物が見たい!

参考文献:『二条城行幸図屏風の世界 天皇と将軍華麗なるパレード 』泉屋博古館編集 発行:株式会社サビア 発売:論創社

【中古】二条城行幸図屏風の世界 天皇と将軍華麗なるパレ-ド /サビア/泉屋博古館(単行本)

価格:1448円
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その寛永行幸400年の節目となる2026年に、「平和」や「文化」を考える祭典「二条城・寛永行幸四百年祭」を、京都で開催します。祭りを盛り上げるべく、こちらの本を参考に現在CG製作中!流石にこれだけの広さがあると大変です。後日途中経過もご報告します!

https://livinghistory-kyoto.com

二条城・寛永行幸四百年祭のためのクラウドファンディングもやっています!

Kindle出版にチャレンジ・後編/Kindle Comic Creatorと格闘編

かなり遠回りをしてしまいましたが、Kindle Comic Creatorで再度電子書籍を作ります。結果的にKindle Comic Creatorで出版できたので詳しく説明します。
Kindle Comic Creatorを開いて「新しい本を作成」をクリック。


言語や縦横などを選び、サイズを入力します。画集などはダブレットで読まれる方が多いそうなのでこちらもタブレットサイズに。小説などを読む方はスマホで読まれる方が多いかもしれませんね。「続ける」をクリックして次の設定へ。


タイトルや著者、出版社(法人ではなくてもok。私はこのブログ名をそのまま使います。)を入力し、カバー画像を選択。保存先をきちんとセレクトしないとMACの中で迷子になっちゃいますのでちゃんとセレクトして、「ページの追加を開始」をクリック。


すると、ファイルをセレクト出来るので事前に用意していたjpg画像を全て選びます。
すると1画像1ページで出来上がり!もちろん後からでも左上のアイコンをプチっとしてページの追加や削除も出来るし、ページの順番も変更できます。


本の形が仕上がったら、「ファイル」から「KF8ブックとしてエクスポート」を選ぶと電子書籍が出来上がり!

KindlePreviewerをダウンロードしてプレビューしてみましょう!
やっと出来た〜と思ったら、今度は色が変。bookで見た時は大丈夫だったよ??分からない。もう一度やり直して、ん〜おかしい。と気がついた!!Illustratorで編集したので、CMYKのままだった!普段は印刷物をデザインしているので、CMYK設定じゃ無いと大変なことになるけど、こちらはweb。RGBじゃないといけなかった、、、。もしかしたらpagesでエラーになったのもこのせいかもしれません。なんてこった!ということは、もう一度Illustratorに戻って全てRGBにして作り直し、、、。そうだよね。RGBだよね。うん。普段印刷媒体を作っている人は要注意ですね。

作り直して書き出したjpgを再度Kindle Comic Creatorに入れて、今度こそ、出来ました(泣)。
Kindleダイレクトパブリッシングにデータをアップしたら、今度はok! 値段を設定し、アンリミテッドの設定もして、無事出版に漕ぎ着けました!なんだかんだ、出版を決めてから1ヶ月。簡単に出来るよ〜、って聞いたけど、50ページの本に1ヶ月って、、、。結構大変。でも2冊目はきっともう少し楽に出来るはず、、、。多分。今回は文章少かったので2冊目はもう少し文章書いて、ページ数も増やさねば。ライター業務も頑張るぞ!

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Kindle出版にチャレンジ・前編/Kindle Comic Creatorとpagesに格闘編

チャレンジって、この歳で(年齢は非公開ですが)チャレンジするってなかなか無いかも?(と世間的に思われるような年齢です)でも近年、停滞した自分自身の時間を動かすべく、色々取り合えず試してみようとしていて、新たなことに挑戦しています。
それはさておき、Kindle出版を始めようにも何をどうしたらいいのかも全く知らないド素人が、取りあえず出版できたよ、って話です。

前回の「Kindleで電子出版始めました!」に書いた、むうさんと渋谷さんに全て教えて頂いた結果です。
Kindle出版はAmazonのKindleダイレクトパブリッシングに作品をアップすれば良いのです。誰でも公序良俗に反しないものであれば出版出来ます。(厳しい規定は無いようですが100%出版可では無いかもしれないので詳しくは公式ページをご確認ください。一応審査はあるようです。)
まず必要なのは当然ですが「作品」ですね。何を出版するのか、その内容によって、本の作り方が変わってきます。小説やエッセーなど、基本的に文章のみの本はKindle Create、漫画や写真集など、図版が多いものはKindle Comic Creatorを使用すると簡単に作れます。こちらはAmazon Kindleの推奨ソフトで無料でダウンロード出来ます。

と、ここで素人の私はいきなり壁にぶち当たります。Kindle Comic Creatorがダウンロード出来ない!my PCはimacのM1チップなのですが、もしやM1チップに対応していないのか??ショック(泣)「Kindle Comic Creator v1.1 for Intel Mac (OSX 10.6 以降) 」ってかるけど、Intelじゃ無いとダメなの〜!?

ネットで調べたらMACにデフォルトで入っているpagesでも作れると出ていたので、pagesで作ってみました。
pagesも今年になって初めてちょっと使っただけでよく分からないけどやってみる。テンプレートから「ブック横」を選ぶと写真集が出来る設定になっているのでそちらを選びます。(文章メインの本は縦型を選びます。)

pageaのテンプレート。色々あるので自分が作りたい本に近い物を参考にしましょう。

白紙のページに江戸の写真を載せて作品名や説明を打ち込んでいくと簡単に本が出来上がります!おおお〜〜〜思ったより簡単!出来たデータをEPUB形式で書き出すと電子書籍の出来上がりです。書き出したデータをダブルクリックするとbook(こちらもmacに搭載されてるやつ)が開いて読むことができる!わ〜い!と思ったのですが、なんか違う。バランスとか、やっぱりちゃんとデザインしないとカッコ悪い。ということで一からやり直し。根本的に編集し直しです。

Apple Booksでプレジューできます


pagesは元々デザインソフトでは無いのでやっぱりキッチリ作るにはIllustratorやInDesignで作らないとですね。ということで一番使い慣れているIllustratorで全ページ編集し直し。Illustratorで作ってjpgで書き出します。そのjpgを貼っていけばいいんですね。ここで大切、渋谷さんからアドバイスを頂いたように、アートボードをピクセルで設定します。普段はmm設定ですからね。しっかり設定変えないと全部やり直しになってしまいます。ピクセルでタブレット画面のサイズにして編集開始。

Illustratorが一番慣れてるので、Illustrator触っているとホッとする。

英語訳を付けたかったのでほぼ文章は入れていないのですが、編集作業って意外と大変。TAPIRUSの渋谷さんは500ページ以上の本を出版されてて、尊敬です。本業じゃなくてサイドビジネスですからね、これ1日中やっても何日かかるんだろう、、、。900ページの本もあるそうです。果てしないな。デザイン900ページってことですからね、、、。

今回は50ページなので取り合えずIllustratorのデータはできた!jpgにもした!次にpagesもタブレットの書類サイズにしたいのですが、どこで変えるか分からず、ネットで調べました。「ファイル」メニューから「ページ設定」を選択すると「用紙サイズ」のポップアップメニューが出てきます。「カスタムサイズを管理」を選択するとサイズを入力できます。もっと簡単にサイズ変更できないもんかな〜とかブツブツ言いつつ、サイズを変更し、編集していきます。貼り付けるデータ自体はできているのでここは簡単。ペタペタドロップして貼れば良いだけ。EPUB形式で書き出してbookで見ると、おお〜出来てんじゃん!

取り合えず試しにKindleダイレクトパブリッシングにアップしてみよう!と思ったら今度はアップできない!エラーが、、、(泣く)。pagesのせいなのか??なんか、文章メインだと上手くいくけど、写真メインだと難しい、と失敗談がネットでも出ていたので、TAPIRUSの渋谷さんに頼って、違うソフトを教えていただきました。(もしかしたらpagesのエラーは単純なミスかも、、、。原因と思われるのは後編に)

漫画のEPUB3作成ツールでも作成できます。こちらもオンラインの無料ソフトです!すごい、そして意外と簡単。一気にjpgデータをアップロードしてプレビューしてみたら、おおお〜できてる!ただ、見開きの作品集を作りたかったので、それにはちょっと一手間必要なんですね。そのためのソフトがなんとダウンロードできない(泣)。この辺でちょっとメゲた。

もう一度pagesに戻ったけど、やはりダメで、Kindleダイレクトパブリッシングを読むとやはりKindle Comic Creator推奨。ダメ元でもう一度チャレンジしたら、なんと今度はダウンロードできた!!やった〜〜!って、この前なんでできなかったんだ??単に通信が悪かっただけか??ということでKindle Comic CreatorはmacのM1チップでも大丈夫でした。

長くなったので続きは後編に!

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Kindleで電子書籍出版始めました!

Ukiyoe-3dimensionsシリーズとして中村宣夫作品集を出版致しました。第一弾は江戸城です。

家康、秀忠、家光の築いた三天守と建造されなかった四つめの天守。江戸城全景、将軍の生活、大名登城、役人、大奥の作品を集めました。是非Amazonにてご覧下さい!
今まで出版社の仕事をしていた割に、というか出版社と仕事をしていたせいか、自分達で本を出版する事を考えた事がありませんでした。なのに、なぜ今さら?
実は先月のイベント江戸時空に若い頃勤めていた会社のコピーライターの「むう」さんが遊びに来てくれました。私と同世代で子育てもしていた彼女は、今でもちゃんとコピーライターもしていて、ショートショートの編集もしてKindleで出版していました。すごい。静かな人なのにパワフル!そんな彼女が電子書籍出版を勧めてくれました。(おまけに舞台の台本も書いていた、、、刺激されます)

実は今まで紙での出版は考えたことがあったのですが、電子出版を考えた事が無かったので、結構衝撃でした。私的には本は紙が好きで漫画以外はほぼ紙の書籍。手元に残る感じも好きです。特に画集や専門書関係は、学生の頃からずっと残しています。断捨離してもこの辺だけは捨てられない、、、。
でも本は紙、という概念は古いですね。特に写真集や作品集はデジタルの方が気軽で綺麗かもしれません。印刷や紙によって色も作品の表情も変わりますから。元々デジタル作品ですしね。作品もネタもあるし、Kindleなら簡単に出来るよ、とむうさんにアドバイスを受けて、早速その気に。
Kindleで美術書を多く出版しているTAPIRUS出版の渋谷漠さんを紹介してもらって、初心者の私に色々教えてくれました!凄い良い方で、マヌケな私に色々アドバイスしてくれて、背中を押してもらいました(T ^ T)

むうさんも渋谷さんも執筆。
vol.11まで発売されてる人気ショートショートマガジンです。
Kindleで人気のアートブックをたくさん出版しているTAPIRUSさん

出版するための編集と電子書籍にした時のマヌケな顛末はまた次回。

岩佐又兵衛

江戸初期の画家、岩佐又兵衛勝以については3回目になります。

9月に行った「日本美術をひも解く」展で又兵衛の絵巻「をぐり」を久しぶりに鑑賞したら、やはり素晴らしくて、国宝が居並ぶ中、ダントツ!と思い(主観です)その後又兵衛の絵巻の図版を数冊購入しました。

又兵衛の絵画は緻密かつ躍動感があります。その人物は表情豊かです。絵巻は当時、漫画のようなアニメのような存在で、詞書(ことばがき)で物語を語り、そのシーンが描かれています。又兵衛の絵巻には絵に勢いがあり、かつ、一つ一つのディテールは細かく、細密です。また陰を描いている箇所もあり、立体感もあるので、絵だけ見ていても次の展開がどうなるんだろうかと引き込まれます。このような、躍動感があり、かつ極彩色な絵巻は少ないのではないでしょうか。

牛若丸の母、山中常盤の息絶えるシーン。
母の瀕死の表情と、宿の主人夫婦の切ない表情。
山中常盤の牛若丸が盗賊を仇討ちするシーン。
戦国の世を生き抜いた又兵衛。血生臭い。

細密画といえば若冲ですが、若冲は「動物彩絵」に代表されるように動植物を好んで描いてましたが、又兵衛は人物。人に対する、愛なのか憎しみなのか、執念なのか、そのエネルギーをさまざまな人物のさまざまな表情、行為を描くことに向けている。人間臭い、ドロドロした感情も見える。又兵衛の最大の魅力がその人間の情感を描いているところだと思います。

先日、「川越仙波東照宮の特別公開」に行ってきました。仙波東照宮は重要文化財ですが、その拝殿には又兵衛の「三十六歌仙額」があります。この作品の裏書から半ば伝説的だった浮世又兵衛が岩佐又兵衛であり、勝以である事が証明され、又兵衛研究が進んだ重要な作品です。

今回の特別展では本殿と御神体(家康公)や拝殿内部と共に「三十六歌仙額」全作品も一緒に公開されました。普段は「埼玉県立歴史と民族の博物館」に収蔵されているのですが、仙波東照宮のものです。現存する作品数の少ない岩佐又兵衛の代表作の一つが川越にあると思うと嬉しいし市民としては誇りに思います。

「川越仙波東照宮の特別公開」なのでメインは東照宮そのものですし、博物館の展示のように見易く展示されているわけではなく額が掛かっていたのを再現しているので、高い位置に展示されているし、ライトも無いので鑑賞するにはちょっと見にくいのですが、本来の作品のあるべき姿を見られました。又兵衛も完成した時、同じように眺めたのかなと思うと感慨深いです。

本殿 内部と御神体が公開されました。
拝殿 内部に又兵衛の三十六歌仙額が飾られています。

ちなみにこの作品は寛永15年に火災で消失した仙波東照宮の復興のために依頼されたのですが、又兵衛の筆が遅いのか、忙しかったのか、まだ出来ないか、と督促状が残っているそうです。

そんな「三十六歌仙額」ですが、又兵衛の特徴の豊頬長頤(ほうきょうちょうい=頬がふっくらして、唇の下から顎にかけて長い)の姿で、細部まで緻密に描き込まれています。歌人の肖像画らしく静的で、絵巻や洛中洛外図屏風に比べると少々物足りない感じはしますが、毒々しさが抑えめで上品な作品です。

この作品は寛永17年(1640年)、又兵衛62歳の時の作品です。その10年後の72歳、江戸で亡くなっているので、晩年の作品ということになります。

小紋雅話

山東京伝作の「小紋雅話(こもんがわ)」という小紋の図案集のデータ化を試みました。

「小紋雅話」は寛政二年(1790年)蔦屋重三郎により出版された小紋模様見立絵本です。山東京伝の小紋集は好評だったようで、天明4年(1784年)「小紋栽ざい」、天明6年(1786年)「小紋新法」に続き3冊目に出版されたのがこの「小紋雅話」でした。

江戸の人は洒落好きだったので洒落の効いた風変わりな小紋です。実際にこの柄の着物が作られていたのかは分かりませんが手拭いや小物にするのは楽しそうです。

山東京伝(1761年〜1816年)は年齢的には葛飾北斎の1歳年下。浮世絵、読本、絵本の全盛期に戯作者、浮世絵師として活躍しました。浮世絵師としての名は北尾政演。寛政の改革のため、小紋雅話が出版された翌年の寛政三年には洒落本が禁令を犯した罪で手鎖50日の処分を受けています。しかし、その後も蔦屋重三郎と組み、多くの作品を残しました。

小紋雅話は江戸人の豊かな発想力と笑いを求める明るさ、大らかさが詰まった図案が156案描かれています。その図案を全てベクターデータ化しました。資料が古く鮮明では無いため、私の解釈でのデータとなりますのでご了承ください。順次illustACにて無料配布致しますので是非、風変わりな江戸小紋をお楽しみください。

『天竺にてはかんなクズを見て字を作し、オランダにては牛の涎を見て字をなす。唐の蒼頡(そうけつ)は鶏の足跡を見て、字を作りたると聞ゆ。われはまた犬の足跡を見て梅の花と見たて、書なるか、字なるか。いっこう分からざる物数十を作し、名付けて小紋雅話という。これももんがぁの類いにして、いずれ怪しかるべし。』〜小紋雅話叙

参考資料:「滑稽本集」日本名著全集刊行会刊

ダウンロードはこちらから  → illustAC

読書の秋

最近、矢島新著「日本美術の核心」という本を読みました。日本美術のオリジナリティについての著作ですが、とても面白かったです。

以前友人に、「日本人は西洋画のように写実的に描けなかったのかな?」と言われたことがりました。確かに遠近法とかの観念が無かったし、写真のようにリアルな絵画は日本画にはほぼ有りません。でも以前紹介した渡辺崋山のように写実的な人物画があるし、応挙の昆虫のスケッチなんて図鑑のようです(それ以上に美しい)。仏僧の木彫などには動き出しそうなリアルな作品もあります。それに、写実的かどうか以前に美しいものは美しいし、写実的じゃなくても面白い。と言っても、確かに江戸時代の西洋画風絵画でも遠近法はまだ未完成で不恰好だし、未熟にも見えてしまう。日本画の良さをどの様に説明したらいいのか上手く話せずモヤモヤと胸に残っていたのですが、この本の中に解答があってスッキリ!

西洋の絵画が現実をリアルに写す方向に芸術の世界が向かったのに対し、日本は美を表現する方向に向かったため、現実の世界と違くてもそれに重きを置いてこなかった。その結果としてデザイン性の高い作品が生まれていった、ということでした。

写実的ではない、イコール下手では有りませんし、写真の様に写実的だった西洋画が抽象画に方向転換したのは浮世絵の影響です。日本画は抽象画とも言えますから、浮世絵に衝撃を受けた印象派の画家たちが抽象画に向かい、現代アートまでの変革の道筋が出来ました。写実的=美という概念をぶち破ったんですね。

ヨーロッパが大航海時代以降、世界の覇者となったために西洋の(キリスト教的)価値観が世界に広まり、それ以外は野蛮だ、といった風潮になってしまったので絵画に限らず西洋的価値観で全てのものを見てしまうようになりました。その為にそれ以外の国々の文化への理解が乏しくなってしまったけれど、逆に西洋の画家が東の外れの国の絵画に衝撃を受け、芸術表現を大きく変えることになったのはとても面白いことです。自分達と全く違う文化を受け入れられる芸術家は度量が大きいと思います。というか度量の大きく柔軟な芸術家が世界を変えていくんだな〜と思います。

また、日本で印象派の絵画が人気なのは日本人として親近感があるからだと考えると納得がいきます。印象派以前のキリスト教の絵画や王侯貴族の絵画よりも日本のエッセンスが入った印象派の絵画は肌で理解できるのでしょう。

少し話がズレますが、私は西洋画では印象派よりも中世の作品が好きです。ギリシャの均整がとれた時代とルネサンスの間の、暗黒時代とも言われたキリスト教が支配していた時代です。なぜ好きかというと、とてもデザイン的で面白いから。写実的な観点から行くと下手ですが、平面でどの様に必要な宗教的要素が描けるのか工夫した結果、面白い絵画が生まれた様に思います。勉強不足で西洋中世画について多く語れませんが、金も多用していて、やはり日本画との共通点があるように思います。(今度詳しく調べてみよう!そうか、だから中世画が好きだったのか。)随分前ですがイタリアに行った時、ボローニャにある中世絵画の美術館に寄ってきました。やっぱり美しく面白い絵画でした。イタリアでもあまり人気がないのか、他に鑑賞している人はいませんでしたが、、、。

そのほかこちらの著書では世界の芸術の中心となった国(仏伊中など)の周辺国(日本も中国の周辺国)の文化や日本の素朴絵(かわいい絵)などについて書かれていて、興味深かったです。かわいい絵はまさに現代の漫画や様々なキャラクターに結び付きます。

文章も読みやすく日本美術の本質的な流れが分かりやすく書かれていて、芸術&読書の秋にぴったりの本でした。

日本美術の核心 周辺文化が生んだオリジナリティ (ちくま新書 1633) [ 矢島 新 ]

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読み本

最近、江戸の本を読んでおります。当時の本はもちろん持っていないし、もし持っていても、昔の仮名遣いは読めないので、再出版された本ですが、言葉はそのままなので、半分理解できていないところもあって読むのに時間もかかりますが、結構、わかります。学生の時に習った古文よりも江戸の言葉の方が現代語に近いですね。さらに現代語訳が併記されている本だとかなり楽です。ちなみに漢文で書かれている作品は完全にお手上げです。学生時代にしっかりと漢文の勉強をしておけば良かった、、、。でも漢文で書かれた本は完璧に現代語訳されているものがほとんどだと思います。

内容的には、ライトノベル的な感覚で読めます。ただ、江戸の人との感性の違いや知識、流行も違うので意味が分からない事も多々ありますが、200年以上前の人も同じ様なことを言って、同じ様なことで笑って怒っていたんだな、と思うと、江戸を身近に感じます。

まだ数冊しかトライしていませんが、初心者に楽しく読めたのは妖怪の話です。絵も面白いし、妖怪とかお化けとかは時代を超えて人気ですね。

中村が初めて作ったCGは式亭三馬(安永5年1776年〜文政5年1822年)の『浮世風呂』(文化6年1809年に前編が出版)からインスパイアされた作品だったので、『浮世風呂』を読みました。

溢れそうな本棚。図書館みたいな本棚に憧れますが、、、。
中央の右の黒い本が式亭三馬の浮世風呂と浮世床。
昭和5年出版の本です。最近の出版じゃあ無いですね、、。
でも句読点や改行があるので読み易い。

こちらのハードカバーは昭和初期に出版されたのですが、句読点もあり、改行してくれているので読みやすいです。現代語訳はないのですが、本文の上に注釈があるので大体理解できます。それでも、所々意味不明ですが、英語の本を読む時も、分からないところは飛ばしていいから、量を読め、って聞いたことがあるので、あまり気にせず読むことに。

賑やかな湯屋の様子を描いた挿絵です。男湯のはずなのに中央に女の人がいますね。
混浴禁止だったはずですが、江戸以外はほとんど混浴だった様で、
子供をあやすお母さんが脱衣所にいても周囲の人は誰も意に介さず。
話の中でもお父さんやご主人を呼びに男湯に女の人が平気で入ってきます。
ちょっとびっくり。今では考えられない。初めは私の理解力不足かと思いました、、、。

『浮世風呂』は江戸の湯屋(お風呂屋さん)でのごく日常の出来事を会話形式で短編の話にしていて、江戸の人たちの生活が垣間見れる作品です。どこの家に子供が産まれた、とか、子供連れのお父さんが熱い湯を嫌がる子供をあやしながら一緒に湯に浸かっている様子、とか、女湯では、化粧の濃いのは良くない、薄化粧の方がいいよね、なんて会話していて、今と変わらないよな〜ってしみじみ思います。お風呂で起こる出来事はちょっとした喧嘩や湯当たりで倒れちゃう、といったほのぼのとしたエピソードばかりです。江戸時代は現代と違う不条理もあったと思いますが、のんびりした時間を過ごしていて憧れます。

二階建ての湯屋の構造が分かるCG。左側が男湯、右が女湯。
男湯からのみ2階へ上がれました。2階は庶民の社交の場。

温泉でなく、スーパー銭湯でもなく、普通の銭湯に行ったのはいつでしょう、、、。もう少しコロナが収まったら浅草あたりの昔ながらの銭湯に行きたいものです。

北斎漫画〜その1〜

先日、古本ですが「北斎漫画」を全編購入しました!江戸時代に刷られたものが欲しいですが、そんな財力は無いので、昭和に発売された、浮世絵研究で有名な永田生慈先生が監修の本を購入しました。

言わずと知れた「北斎漫画」。文化11年(1814年)から明治11年(1873年)まで全編15編出版されました。ちなみに北斎は嘉永2年(1849年)4月18日に90歳で亡くなっています。生前に出版されたのは十二篇まで、それ以降は没後、と言うことになります。

十五篇合計で4000近い図があり、動植物、岩、水、風、空想上の動物人間、波、お墓、村、歴史上の人物や高僧、庶民の生活、武士、魚、犬猫、虫、トカゲ、神仏、風景、コマ絵の相撲や踊り、剣術や槍の稽古風景、幽霊、バケモノ、文様、野菜、おもちゃや生活道具、騎馬武者、龍、樹木、草などなど、、、。購入した本も分厚いハードカバーで3巻分です。

ART INSTITVTE CHICAGO – Hokusai manga
The New York Public library digitalcollections

北斎の絵を見るといつもそのデッサン力に、つい「うまいよな〜」と呟いてしまいます。そして必ず北斎の個性が光っている。凄い人です。

「ホクサイスケッチ」として欧米でも有名になり、浮世絵ブームの火付け役になりました。印象派のマネやポスト印象派のゴーギャンもスケッチを真似しています。エミール・ガレのガラス器のデザインにもなりました。

「北斎漫画」初編は名古屋で描かれました。名古屋永楽屋と江戸の角丸屋の出版になっています。その時の広告のコピーには、名古屋永楽屋「先生の物に感じ興に乗じ折にふれ心に任せてさまざまの妙図を写たる編〜」江戸角丸屋「興に乗じて心にまかせてさまざまの図(かたち)を写す編〜」とあります。まさに北斎の心に写った万物を描いているようです。しかし、当初は増え続ける各地にいる北斎の弟子やファンの絵手本としての目的が大きかったようです。ですが、大衆に大人気となり、続編が次々出版されて一大ブームになってしまいました。いまだに「北斎漫画」が出版されていますから、200年に渡る大ベストセラーです。

The New York Public library digitalcollections
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「マンガ」という言葉の語源といわれていますが、タイトルを考えたのは北斎だそうで、たくさんの物を気の向くままに写した、というような意味合いだったようです。でも内容が滑稽なものやパロディな絵が多かったので、言葉が現在の「マンガ」の意味に変化していったのでしょう。そういう意味では確かに現在の代表的日本文化のマンガに多大な影響を与えていると言えると思います。

私なんかが北斎漫画を語っていいのか?と思いつつ、楽しいし、発見もたくさんあるので、また次回。