イサム・ノグチのアートが楽しめる公園〜モエレ沼公園

イサム・ノグチのアートが楽しめる公園〜モエレ沼公園

モエレ山に向かう直線の道。モエレ山にはさまざまな『道』があります

札幌旅行で行った公園『モエレ沼公園』を紹介します。
札幌からバスと電車を乗り継ぎ、約50分。美しい『モエレ沼公園』に到着です!

モエレ沼公園東口から入りました。紅葉が始まって美しい並木道

公園全体が彫刻!

ここ、『モエレ沼公園』は基本設計を世界的に著名な彫刻家イサム・ノグチが手がけました。「全体をひとつの彫刻作品とする」というコンセプトのもとに作られた公園です。イサム・ノグチの代表作でもあるこの公園は、アートが好きな人、自然を求めている人、まったりしたい人、映え写真が欲しい人にピッタリです!

日本とは思えない、モエレ沼の風景

モエレ沼は公園をぐるりと囲んでいる沼で、その地名はアイヌ語の「モイレペッ」(意:静かな水面・ゆったりと流れる)を由来としています。沼に掛かっている橋と沼の景観はヨーロッパのようです。

ガラスのプラミッド『HIDAMARI』

公園のシンボルとなっているガラスのピラミッド『HIDAMARI』やモエレ山、モエレビーチ、海の噴水、プレイマウンテン、サクラの森、テトラマウンド、ミュージックシェル、アクアプラザなどが配置されています。一つ一つがイサム・ノグチのアート作品です。作品の中に入り込んでいる感覚になれます。

『HIDAMARI』内部。この日は曇っていたのですが、天気の良い日だったら本当に陽だまりが出来て幸せな気分になれそう。
ピラミッドの1階にあるイサム・ノグチの作品。水が流れていて作品全体の心臓みたい。

ところでイサム・ノグチって誰?

イサム・ノグチ1904-1988)は日本人の父とアメリカ人の母の間に生まれました。幼少期を日本で過ごし、アメリカとフランスで彫刻を学びました。東洋と西洋の感性を併せ持つイサム・ノグチは20世紀を代表する彫刻家です。

イサム・ノグチ

作品の候補地を視察するためにノグチが札幌市を訪れたとき、モエレ沼の内陸部は不燃ゴミの埋め立て地として利用されていました。ゴミの舞い散る大地に立ち、ノグチは「人間が傷つけた土地をアートで再生する。それは僕の仕事です。」と言い、モエレ沼公園の計画に参加することを希望しました。(モレエ沼公式HPより)

『あかり (Akari)』シリーズ

しかし、計画途中でイサム・ノグチが急病のため、亡くなってしまいました。イサム・ノグチの死後、工事が開始され、イサム・ノグチの遺作として2005年この公園は完成しました。

テトラマウント。ステンレスの三角錐と芝生で構成された作品

『HIDAMARI』の中にイサム・ノグチ・ギャラリーもあります。興味のある方はこちらで詳しく調べることができます。

モレエ沼公園の楽しみ方

イサム・ノグチの遺作を堪能する!公園自体がイサム・ノグチの代表作です。地球の自然を再現したような山や噴水、林と共に人工的なガラスのピラミッドが妙にマッチしています。彼の世界観に浸ってみよう。

この日は天気が悪かったのですが、モエレ山の上に太陽が!!歓迎してくれているようで、感激です!
モエレ山の頂上に続く道、なだらかな階段

189haと広大な公園ですのでレンタサイクルがおすすめです。2時間たっぷり回りました。歩きも良いですが、ぜひレンタサイクルですべての作品を堪能してほしい!レンタサイクルなら色々な角度から鑑賞できます。そしてお気に入りの場所を見つけて欲しい。リスにも会えました!

モエレ山の山頂。野球場とテニスコートが見えます。

陸上競技場や野球場、テニスコートなどもあります。申請して施設の利用も出来ます。

プレイマウンテン。ピラミッドや古代の遺跡を思わせます。

ピクニックのようにお弁当とマットを持って来て1日ごろごろするのもオススメです!子供やペットと日がな一日まったりしたい!子供のための遊具もあります。

プレイマウンテンの頂上へ

結婚式の前撮りと思われる一団もいました!美しい風景をバックに幸せそうなカップル!良いですね〜。カップルじゃなくても映え写真を求めて色々な角度から写真を撮ってみましょう!

一部整備中だったようです。これだけの公園を完璧に整備していてすごいな〜と思います。札幌の方の公園に対する愛情を感じます。

海の噴水も美しいそうですが、時間が合わず、見ることができませんでした。残念!
4月29日〜10月20日の期間やっています。噴水の時間が決まっているので公式HPで最新情報をチェックしてください。

今回は秋に行ったのですが、春には桜が咲き、夏には噴水や水遊びゾーンもあり、冬の雪の季節には真っ白になった風景が見られます。また季節を変えて訪れたい公園です。

アートの本来の姿を感じられる公園です。身近にあり、心を癒してくれる存在であり、自分を見つめ直すことができる作品。この素晴らしい公園に是非足を運んでみてください。

モエレ沼公園アクセス(入園無料)

札幌市営東豊線『さっぽろ』駅から『環状通東』駅下車(3駅・乗車時間6分)→
中央バス『あいの里教育大駅前行き』もしくは『中沼小学校通行き』に乗って『モエレ沼公園東口』下車(乗車時間約25分)

  • レンタサイクル
  • 4月29日〜10月15日/9:39~17:00(受付終了16:00)
  • 10月16日〜11月3日/9:39~16:00(受付終了15:00)
  • 利用料金(1時間)普通車100円〜
綺麗な小道を見つけました!モエレ山に続く道です。

モエレ沼公園公式HP https://moerenumapark.jp

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浮世絵に描かれた江戸時代の相撲

浮世絵に描かれた江戸時代の相撲

Sumo in the Edo period depicted in ukiyo-e

鬼面山谷五郎 出羽海金蔵/葛飾北斎筆(春朗)
江戸時代・18世紀
出典:ColBase (https://colbase.nich.go.jp)

日本の相撲の歴史は古く、古事記(712年)や日本書紀(720年)の中にも力比べの試合の様子が書かれています。神事や祭りとして行われ、伝統的な武道の一つです。江戸時代も相撲の人気は高く、人気力士の姿が浮世絵に描かれました。その一部をご紹介します。

荒馬・鴻ケ峰/勝川春英筆
江戸時代・18世紀
出典:ColBase (https://colbase.nich.go.jp)
谷風・江戸ヶ崎・柏戸/勝川春好筆
江戸時代・18世紀
出典:ColBase (https://colbase.nich.go.jp)

大きな力士の姿は画面いっぱいに描かれています。現在でも聞かれる名前も見られます。

谷風・瀧ノ音/勝川春英筆
江戸時代・18世紀
出典:ColBase (https://colbase.nich.go.jp)
梶浜・陣幕/勝川春英筆
江戸時代・18世紀
出典:ColBase (https://colbase.nich.go.jp)

両国橋を渡る力士一行。周囲の江戸の人たちよりも倍位大きいですね!浮世絵はデフォルメしていますが、実際に一般の人よりもとても大きかったのでしょう。現在もお相撲さんに会うとビックリするくらい大きいですよね。

両国勧進大相撲晴天大當繁昌之圖/勝川春章筆
江戸時代・18世紀
出典:ColBase (https://colbase.nich.go.jp)

赤沢山の近隣の武将が狩猟の後に行った余興としての相撲。武士の楽しみです。

赤沢山の相撲 3枚続 左/勝川春章筆
江戸時代・18世紀
出典:ColBase (https://colbase.nich.go.jp)
赤沢山の相撲 3枚続 中/勝川春章筆
江戸時代・18世紀
出典:ColBase (https://colbase.nich.go.jp)
赤沢山の相撲 3枚続 右/勝川春章筆
江戸時代・18世紀
出典:ColBase (https://colbase.nich.go.jp)

北斎漫画にも描かれています。お茶目な力士。

北斎漫画 葛飾北斎
The New York Public library digitalcollections

当時、相撲と関係の無い分野でも番付表を作って宣伝をしていました。温泉番付やグルメ番付などなど、こちらは芝居番付。庶民に相撲が人気で番付表は分かりやすく、宣伝に効果的だった証拠です。

芝居番付 寛政七年卯霜月 都座/鳥居清長筆
江戸時代・寛政7年(1795)
出典:ColBase (https://colbase.nich.go.jp)

木々康子著「春画と印象派〜”春画を売った国賊”林忠正をめぐって」

木々康子著「春画と印象派〜”春画を売った国賊”林忠正をめぐって」

木々康子著「春画と印象派〜”春画を売った国賊”林忠正をめぐって」を読みました。林忠正は筆者の義祖父に当たるそうで、明治時代にパリで日本画を広めた画商です。

印象派の画家達が日本の浮世絵に多大な影響を受け、ヨーロッパの美術界が激変したことを知る人は多いですが、その陰に林忠正(はやしただまさ)という美術商(当時は美術商という言葉は無く、「骨董屋」です)がいたことはあまり知られていません。なぜなら、国の恥ずべき絵画=春画をヨーロッパに持ち出し売った、「国賊」とされていたからです。

「春画と印象派」2015年 筑摩書房

今回読んだ「春画と印象派」では林忠正が「北斎漫画」や「富嶽三十六景」などの有名な浮世絵とともに春画も大量にヨーロッパに輸出し、それが印象派の画家たちに多大な影響を与えた事が書かれています。印象派の画家達は、北斎や歌麿らが描いた春画を見ています。そして春画などの浮世絵を求めるときは林忠正を訪ねました。

当時西洋画で裸の女性を描くときは必ず女神や聖女など、神格化された人でないと描けませんでした。普通の女性の裸体を描くのはいけないことだったのです。ですが、普通の男女や普通の夫婦を描いた春画の影響を受け、マネが「草上の昼食」で普通の女性が裸体でいるシーンを描きました。洋服を着ている男性の横で全裸の女性がいるのは不思議な構図でよく分からないな、と常々思っていましたが、これは西洋の戒律を破る革新的な絵画だったのですね。まあ、全裸の女性にきちっとしたスーツの男性を描くより、春画の方がよほど自然だとは思いますが、、、。

春画の本も沢山出版されています。現在は無修正で出版可能になりました。版画ではなく肉筆の春画もあります。肉筆はさらに美しいです。

また、ヨーロッパはキリスト教の国で戒律が厳しく、特に女性は男性にとって性欲を掻き立てる「」とされていたため、抑圧されていたのに対し、日本の女性の方が自由であり、性=悪ではなかった。そのため春画が描かれ生の喜びが描かれました。(きっとキリスト教圏では悪魔との交わりになってしまったのでしょう、、、。)また、現代は日本と比べてヨーロッパの女性の方が社会的地位が高い人の割合が多いのは、歴史的に抑圧されていた反動からフェミニズム運動が起こり、女性自らの手で地位を獲得した結果です。対して日本の女性は昔から精神的に抑圧されていなかったため、大きなフェミニズム運動が起きにくい、という背景があるということをこの本で学ばせていただきました。

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日本人が浮世絵の価値を理解でなかったために世界に散逸してしまいましたが、林忠正のおかげで世界で日本画と浮世絵が保護されていたのだと思うと林忠正と諸国のジャポニズムコレクターに感謝しか有りません。また、林忠正は数々の日本画とともに膨大な印象派のコレクションもあり、日本で美術館を開きたかったようですが、残念ながらそれが実現することはありませんでした。当時の明治政府の理解が全く得られなかったからです。残念ではありますが、理解を得られない日本に持って帰って来なくて正解だったのかもしれません。

パリ万博でも貢献し、日本美術の素晴らしさを世界に広めたにも関わらず、「国賊」として長らく歴史の闇に葬られていた林忠正の功績はもっと知られるべきだと思います。さらに現在でも春画を展示するのは大変なようで、先日の吉原展でも展示されず、未だ春画の価値が認められないのでしょうか?

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印象派の作家達の時代背景と春画から受けた影響など書かれていて勉強になりました。林忠正は日本の芸術を世界に広め、日本人で初めて世界を相手にビジネスを行った一人であることは間違い有りません。

この本で改めて林忠正の功績を学ぶことができましたが、私が林忠正を知るきっかけになったのは原田マハ著「たゆたえども沈まず」。この小説はゴッホを主役とした話ですが、林忠正との交流が描かれています。こちらは小説ですので、どこまで史実かは不明ですが、あの時代に芸術の中心地パリで活躍した日本人がいるんだ、と衝撃でした。ゴッホの苦悩の人生も書かれているのでおすすめの一冊です。

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フランスの作曲家ドビュッシーが浮世絵から影響を受けていた

フランスの作曲家ドビュッシーが浮世絵から影響を受けていた

The French composer Debussy was influenced by ukiyo-e

先日、友人がさいたま市音楽家協会の演奏会に出演していたので久しぶりにクラシックのコンサートに行ってきました。綺麗な音楽に癒されて、全ての芸術は音楽的であるべきだ、というショーペンハウアーの言葉を思い出しました。(古い記憶なので間違えていたらごめんなさい)

クラシック音楽を聴きながら、日本文化の関わりあるかな、と考えていて、その時に思い出したのがドビュッシー。

フランスの作曲家ドビュッシーの交響詩「海」(「海」管弦楽のための3つの交響的素描/1905年)北斎の「神奈川沖浪裏」に影響されて作られたと言われている管弦楽曲です。美しく、壮大な曲です。キラキラと輝く凪いだ海と北斎の絵のように激しく迫ってくる波を感じます。東洋テイストもありますが、やはりドビュッシーが見ていたフランスの海を思い浮かべてしまいます。

出典:国立博物館所蔵品統合検索システム ColBase (https://colbase.nich.go.jp)

ドビュッシーはカミーユ・クローデル(彫刻家)と交流があり、彼女から浮世絵を見せられて影響されたのではないかと言われています。1905年に楽譜が出版された時の表紙は「神奈川沖浪裏」をデザインしたものです。ちなみにこちらの波の絵は優等生的な綺麗な波ですね。北斎のgreate waveのように大胆にするのは気が引けたかな?

北斎を始めとした浮世絵がヨーロッパの印象派の絵画に多大な影響を与えたことは有名ですが、画家だけでなく作曲家にも影響を与えていた、ということですね。

ゴッホ ジャポネズリー:雨の橋(広重を模して)1887年油彩 カンヴァス
ファン・ゴッホ美術館蔵©Van Gogh Museum, Amsterdam(Vincent van Gogh Foundation)

遠い大陸の西と東の端っこで文化的に交流がされていたなんてロマンがあります。お互い出会うことは無かったけれど、もし出会っていたら、どんな芸術が生まれたのでしょう。当時北斎は出島に来ていたオランダ人からの依頼も受けていたようですが、まさかヨーロッパで画家たちに大きな影響を与え、その発展を促し、さらに音楽にまでなってるなんて思いもしなかったでしょう、、、。

浮世絵に影響された作家といえばゴッホ。浮世絵が不用品として日本製の陶器のクッション材として使われていたのは有名な話ですが、ヨーロッパの人が日本の浮世絵を評価してくれなければ、浮世絵は現在まで残っていなかったかもしれません。ヨーロッパの方に感謝です。

ゴッホ ジャポネズリー:梅の開花(広重を模して)1887年油彩 カンヴァス
ファン・ゴッホ美術館蔵©Van Gogh Museum, Amsterdam(Vincent van Gogh Foundation)
ゴッホ ジャポネズリーおいらん渓斎英泉を模して)1887年油彩 カンヴァス
ファン・ゴッホ美術館蔵©Van Gogh Museum, Amsterdam(Vincent van Gogh Foundation)