江戸時代に実在した遊郭。遊郭の成り立ち、構造から花魁の生活、そこで働く人などなど、歴史CG作家中村宣夫によるリアルなCGと浮世絵で解説しています。
中村宣夫

江戸のCG作品紹介
歴史CG作家中村宣夫の作品と活動を紹介します。今は失われてしまった江戸の町と生活をCGで再現しています。CG作品なら江戸の町が見て分かります。行ったことがないのに何故か懐かしい江戸の町をご覧ください。

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寛永行幸をcg化〜その弍〜二条城天守
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江戸の町並みを動画にしました!長屋から表通りまでリアルに再現!
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中村宣夫のオススメ江戸CG作品ベスト10
中村宣夫のオススメ江戸CG作品ベスト10を独断と偏見で選んでみました!
HPで公開していない作品も選んでいます!
10位 日本橋越後屋呉服店内部

9位 火消し

8位 両国の花火大会

7位 千利休の茶室

6位 江戸城天守 慶長年度 徳川家康江戸始図

5位 日本橋通り〜熈代勝覧

4位 湯屋の番台

3位 日本橋

2位 夏の長屋の夜

1位 吉原張見世

以上10作品ですが、私の好みでのセレクトです!江戸城がインパクトもあって人気ですが、私は江戸庶民の生活が感じられる作品が好きです。元々湯屋や長屋から作品を作り始めているので私にとっては中村の作品は湯屋、長屋、日本橋が最高です。
でも改めてHPを見たりすると、こんな作品もあったな〜と思い出したりして10作品を選ぶのはかなり悩みました。ちなみにベスト10から漏れたのは吉原扇屋、桜田門外ノ変、江戸城御殿内部、江戸城三天守、色々な商店、宿場町などなどやっぱりベスト20にすれば良かったかな。こちらの作品はHPにありますので是非ともご覧ください。
こちらで紹介した以外にもたくさんの作品を掲載しています。
中村の作品の良いところは細部までこだわって緻密に制作しているところですが、それ以上に作品に独自の色というか雰囲気、空気感があるところだと思います。もしかしたら同じ資料を見たら同じような作品を作ることは他のクリエイターの方にも可能だと思いますが、CGも作者の個性が出るので全く同じものには出来ないと思います。鉛筆で同じものを描いてもそれぞれ違う作品になるのと同じですね。
膨大な作品の中の一部ですが、これからも中村の作品をお楽しみください。
3DCGで再現した 江戸城
歴史に詳しくない、私のような人は「江戸城どこにあるの??」と思う方も多いのではないでしょうか。私は東京出身なのですが、若い頃は東京に城があったの??っていう感じでした。東京の中心にあるのは天皇陛下が住んでいる皇居でしょ、みたいな、、、。最近の若い人は知っているのかな。皇居は江戸城跡だという事を。「江戸城址公園」とかだったらわかりやすいですよね。名前が変わっちゃっているのが最大の原因だと思いますが、もし現在の皇居に江戸城がそのまま残っていたら東京の景色は違うものだったでしょう。

城と言えばそのシンボル「天守」が無いのも城感が無い要因の一つ。姫路城のように堂々と天守がそびえていると「城」って感じがします。江戸城の天守は徳川家康、秀忠、家光の頃に建てられましたが、明暦の大火で焼失し、江戸の復興を優先したため天守は再建されませんでした。再建の計画はされたようですが、泰平の世に天守は必要ないと判断した、当時の首脳陣は賢いですね。
そもそも「天守」は戦の時に必要なものです。遠くまで見渡す見張りの役割をし、そこから攻撃、籠城もできる。力を誇示し、領地の支配者のシンボルとなる。でも戦国の世が終わった江戸時代には必要ありません。もちろん建立には莫大な費用がかかりますから、江戸の庶民が大火で困っている時には単なる贅沢品にしかならない、という判断だったのでしょう。
でも正直、今、天守があったら、東京の最大の観光地で経済効果もあっただろうな、と思います。見てみたい!もちろん日本最大で、高さ約45m、姫路城よりも10m以上大きかったそうです。
ちなみに、「天守閣」という言葉もあります。私もよく「天守閣」と言って、主人に「天守だよ」、と指摘されておりますが、正式名称は「天守」で、「天守閣」は俗称だそうです。豪華な建造物に「閣」という言葉をくっつけるそうで、庶民が「天守閣」と呼んだのが広まったそうです。
また、城=天守ではありません。将軍が政務を行い、居住する、広大な「御殿」がありました。こちらが本来の城の役割です。今の国会議事堂と首相官邸と各省庁を兼ねた建物になります。江戸城にはこの御殿も残されていません、、、、。大名達と謁見する広間や執務を行う中奥、将軍の妻と子が住む大奥など、迷路のように広大な屋敷がありました。広大な御殿に慣れない大名は迷ってしまうので案内役もいました。
そんな江戸城を3DCGで再現しています。制作には約10年。初めは外観だけでしたが、現在は御殿内部まで製作しています。現存していたら是非みてみたい江戸城、残念ながら叶わないので是非CGでご覧ください。
Kindle本では歴代三つの天守と再建されなかった四つ目の天守、御殿の内部、将軍の生活、大奥の内部をHPよりもさらに高画質な3DCGでご覧いただけます。
銭湯の歴史

最近、また銭湯が見直されてきました。各家庭の内風呂が普及した昭和40年代から銭湯は徐々に減少してピーク時の1/10にまで減ってしまったようですが、若者が行きやすい造りにしたり経営を工夫したりとまた銭湯が注目されています。スーパー銭湯や温泉は相変わらずの人気ですし、ただ単に汚れを落とすだけではなくて、日本人にとって『銭湯』や『公衆浴場』は大切な一つの文化なのだと実感します。数年前になりますが、都内の子供の頃に通っていた銭湯(家に内風呂があったのですが、時々行っていました)の前を通ったら破風造りの入り口が残っていて、感動しました。その時は残念ながら時間が無く、写真を撮って帰ってきただけなのですが、今度入りに行こう!と思って調べたら、もう無くなっていたようです、、、。ショック(泣)。

そんな大好きなお風呂屋さんの歴史についてです。
日本の大衆浴場の起源は奈良時代、奈良の大きな寺院です。僧侶は修行の一環として心身を清めるために沐浴をします。大勢の僧侶を抱える大寺院では僧侶たちが一度に入れる大きな浴場が必要となり、寺院の一角に大浴場を設置したのが始まりと言われています。それが中小寺院にも広まり、さらに僧侶以外の一般の人々にも開放され、それが銭湯となり、庶民に大衆浴場の文化ができました。
江戸の湯屋の始まりについては三浦浄心の『そぞろ物語』(寛永18年=1641年)に、天正19年(1591年)伊勢與一という人が銭瓶橋(ぜにかめばし)のほとりに風呂を立てた、との記載があります。現在、銭瓶橋は現在無くなってしまいましたが、日本橋の辺りにありました。全国から江戸城築城の建材が日本橋川を上って運ばれ、銭瓶橋周辺で陸揚げされたので周囲には町屋敷や商店、遊女屋も出来、多くの人々で賑わっていました。一仕事終えた人々が風呂に入りたくなるのは人情。ここに風呂屋ができたのは当然のことだったのでしょう。この湯屋、風呂の中は「息がつまる」「目も開けられない」と記されているので、蒸し風呂だったようです。風呂代は永楽一銭(永楽銭は寛永通宝が作られる以前、明より輸入した通貨)と記されています。
元々湯屋は混浴でしたが、寛政3年(1791年)寛政の改革で混浴禁止令が発令されたので、文化文政期の湯屋は男湯女湯に分かれています。男女二つの浴槽を持つことが出来ない小さい湯屋では昼間は女湯に、夜からは男湯にと時間で分ける湯屋や、女湯専門、男湯専門の湯屋もありました。また近くの湯屋同士で相談し、女湯にする日を決めるなど工夫して営業していました。
でもきっちり男女で分かれているのは江戸市中ばかり。江戸市中を出ると「入り込み湯」といって混浴の湯屋がほとんどでした。また、大坂では湯船だけ男女に分かれていて、入り口から洗い場までは男女一緒の湯屋もありました。
CGでは江戸時代後期の湯屋を再現していますが、この時代に現在の銭湯の原型がほぼ出来上がっています。
江戸時代の湯屋についてkindle版「浮世風呂」に美しい高画質3DCGとともに詳しく紹介しています。
桂三木助師匠の独演会
7月11日に落語家、五代目桂三木助師匠の独演会に行ってきました!師匠の独演会ではオープニング映像を流す演出を以前からやられていて、今回、中村のCGを使用して頂きました。伝統芸能とのコラボが実現しました!!
伝統的な落語なのになぜCGなのか?というと、伝統的であるが故に、時代背景が古くて噺を聞いても状況が良くわからない方が年々増えていっているので、より分かりやすく、落語の話からその世界をイメージし易くするために江戸の映像を流したい、という事でした。特に若い方は、昔のように時代劇をテレビで見る機会も少ないので、余計に落語の世界を理解するのが難しくなっているのを師匠が実感しているそうで、映像を活用し、より落語を楽しめるよう、演出されています。
そして今回、よりリアルな江戸の町を求めて、師匠から直接ご連絡頂き中村の作品を使用していただきました。
内幸町ホールでの公演で、ホールにある機材が古いのであまり綺麗に上映できないかもしれません、とおっしゃっていたのですが、拝見しましたら、舞台いっぱいの大きなスクリーンに想像以上に綺麗に投影していただき感激しました!映像制作会社の方々とホールのスタッフの方々、師匠のこだわりのお陰です。感謝感謝です。

上映内容は日本橋、長屋、吉原のcgを映像制作会社の方にいい感じに編集して頂き、オープニング映像として上映していただきました。またこの日の演目「紺屋高尾」に合わせ、花魁高尾の姿を幼少期から花魁に変化するシーンをメインに吉原での出会いの様子をエンディングに上映して頂きました。
この日の師匠の演目は1本目が「だくだく」と2本目が「紺屋高尾」でした。「だくだく」は長屋が舞台のおちゃめな長屋の住人と泥棒の爆笑のやり取りで、初心者の私にも分かりやすく、大笑いさせて頂きました。
2本目は上記にも書いた映像を使用した演目です。吉原を舞台にした「紺屋高尾」は1番人気の花魁高尾と職人の若者の3年にわたる恋の物語で、しっとりとして深いお噺で、落語=笑い、という認識しかなかった初心者の私は目からウロコ!なるほど、こういう世界があるんだと、その世界観に引き込まれました。

前座の金風亭杏寿さんの落語も現代の話題も入れてアレンジされて面白かったですし、米粒写経さんの漫才も爆笑でした!漫才もライブは初めてなので迫力があって楽しかったです!!次回も楽しみ!!
師匠の今後の講演などは公式ページからご覧下さい。次回の独演会でもCG映像が流れますので落語と共に映像もお楽しみください。
第二弾Kindle出版「浮世風呂」出版しました
やっと第二弾のKindle電子書籍「浮世風呂」出版いたしました。
前回から半年掛かってしまいましたが、今回は江戸時代後期のお風呂屋さん「湯屋」のCGに詳しい解説を添えております。ということでこちらの解説を書き、編集をするのに時間が掛かりました。第一弾の「江戸城」はCGを写真集のように見て頂ければ良いのではないかと思い、文章は極力減らしたのですが、やはり、作品を楽しんでいただくためにも解説は必要、という事で、今回は頑張りました。
日本人は風呂、銭湯、温泉が大好きです。そのルーツ、江戸時代後期の銭湯を精密に製作した3DCGと解説で、当時の湯屋の様子が分かる1冊になっています。江戸の湯屋は単に体を清潔に保つためだけではなく、人々の交流の場、癒しの場で、大切な江戸文化の一つでした。また、歴史CG作家 中村宣夫は25年以上、江戸の町を作り続けていますが、その原点は湯屋です。式亭三馬の「浮世風呂」の世界を再現したCGが初めての作品です。CG作品が江戸の町へと広がる始まりの作品をご覧ください。
銭湯だけでなく、江戸時代の内風呂や将軍の風呂、遊郭の風呂まで掲載しております。是非ご覧ください。
編集後記・・・半年ぶりの出版なので、電子書籍化するのも若干忘れており、前回出版した時の自分で書いたブログのページを見て思い出しながら作りました。原稿をjpgにするまでは良いんですよね。いつもやっている作業なので。Kindle Comic Creatorになった途端、忘れているんです。若干バタつきつつも出来たのでAmazonにアップして販売したら、早速2つミスに気がつきました、、、。一つは対象年齢の表示が間違えていた事、こちらはKindle direct publishingの管理ページで簡単に直せます。ただ再認証してもらわないといけないので若干時間が掛かります。一度アップするとAmazonの許可が必要になってくるので、アップする前によく確認しないといけないですね、、、。もう一つのミスは、スマホで見ると縦横の回転をしないのでとても見にくい、、、。こちらは大問題です。私のスマホのせいかと思ったら、どうもそうじゃないらしい、、、。Kindle Comic Creatorで作る際の設定で、横向きに固定していたせいだと思うので、作り直しまして、再度データをアップし直し、認証もすぐ来て無事(?)販売されました。
鬼滅の刃 柱稽古編

鬼滅の刃柱稽古編が始まりました。
今回はいよいよ佳境に入る前の序章的な感じでしょうか。オリジナルストーリーも多めで、それぞれの柱のエピソードが見れそうな展開で楽しみです。
制作会社のユーフォーテーブル様とは「鬼滅の刃」よりも前、「刀剣乱舞」からお世話になっているので、もう6〜7年くらいになるでしょうか?
中村のCGは純粋に日本家屋なので、それを動くアニメに使用してもらっているわけですが、どの様な工程を経て鬼滅の世界に作っていっているのでしょう。CGを動画にするのはかなり大変な作業なのでそれを考えると、アニメの技術はすごいなといつも思っています。CGの技術と昔ながらのアニメ制作の技術を合わせて素晴らしい躍動感のある作品にしているんでしょうね。と、色々楽しみに今回も観たいと思います!
寛永行幸をcg化〜その弍〜二条城天守
寛永行幸400年祭のためにCG制作を始めました。寛永行幸が行われた京都には当時の建築物が多く残っています。中村は、現物が残っている建造物は本物を見れば良いのでCG化する必要があるのか?という考えなので、今まで京都の町を再現することには消極的でした。しかし、今回、寛永行幸400年祭を開催したいとお話を頂き、CGで行幸の様子を再現し始めています。
こちらは二条城の天守です。1750年に落雷により焼失してしまいましたが、寛永行幸の時代には天守がありました。結構大きな天守で、石垣の下から見上げると迫力があります。京都は寺院と公家のまち、といったイメージで、武士のイメージがありませんが、京都に武士の象徴である天守があったら全く違うイメージだったかもしれません。


二条城を制作するにあたって二条城の図面と洛中洛外図屏風を参考に制作しました。出来てみると絵で見るのと全く違う印象です。特に日本画はそのままのものをそっくり映しとる、という絵画では無いので、CGにすると、なるほど、実物はこういう感じだったんだ〜とちょっと感心します。ちなみに塀の奥には御殿がありますが、人の目線からは見えません。そのための城壁ですね、、、。

寛永行幸は京都御所を出て中立売通を通り、堀川通を南下して二条城に入りました。3枚目のCGがその堀川通です。ここを絢爛豪華な公家と武家の行列が続いていたわけですね。
鬼滅の刃 絆の奇跡、そして柱稽古へ
鬼滅の刃ワールドツアー「絆の奇跡、そして柱稽古へ」を劇場で観てきました!前半は「刀鍛冶編」の最終回を、その後から次回作の「柱稽古」編を上映しました。

「刀鍛冶編」はテレビで観ていましたが、やはり大画面で見ると迫力が有って面白いですね。
後半の柱稽古編はコミカルなシーンも随所にあって面白かった!私的には鬼滅の刃の話全体の中で一番初めの鬼殺隊になるまでの修行のシーンが一番好きなので、今回の「柱稽古編」は修行シーンが多いのでは、と期待しております。人として成長していく過程が面白いのか、目標に向かって鍛錬していくシーンが好きなのか。バトルシーンが実は苦手なので、このシリーズは特に楽しみなのでテレビシリーズが待ち遠しいです!!