北斎とドビュッシー

先日、友人がさいたま市音楽家協会の演奏会に出演していたので久しぶりにクラシックのコンサートに行ってきました。綺麗な音楽に癒されて、全ての芸術は音楽的であるべきだ、というショーペンハウアーの言葉を思い出しました。(古い記憶なので間違えていたらごめんなさい)

クラシック音楽を聴きながら、日本文化の関わりあるかな、と考えていて、その時に思い出したのがドビュッシー。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)

フランスの作曲家ドビュッシーの交響詩「海」(「海」管弦楽のための3つの交響的素描/1905年)は北斎の「神奈川沖浪裏」に影響されて作られたと言われている管弦楽曲です。美しく、壮大な曲です。キラキラと輝く凪いだ海と北斎の絵のように激しく迫ってくる波を感じます。東洋テイストもありますが、やはりドビュッシーが見ていたフランスの海を思い浮かべてしまいます。

ドビュッシーはカミーユ・クローデル(彫刻家)と交流があり、彼女から浮世絵を見せられて影響されたのではないかと言われています。1905年に楽譜が出版された時の表紙は「神奈川沖浪裏」をデザインしたものです。ちなみにこちらの波の絵は優等生的な綺麗な波ですね。北斎のgreate waveのように大胆にするのは気が引けたかな?

北斎を始めとした浮世絵がヨーロッパの印象派の絵画に多大な影響を与えたことは有名ですが、画家だけでなく作曲家にも影響を与えていた、ということですね。

遠い大陸の西と東の端っこで文化的に交流がされていたなんてロマンがあります。お互い出会うことは無かったけれど、もし出会っていたら、どんな芸術が生まれたのでしょう。当時北斎は出島に来ていたオランダ人からの依頼も受けていたようですが、まさかヨーロッパで画家たちに大きな影響を与え、その発展を促し、さらに音楽にまでなってるなんて思いもしなかったでしょう、、、。

浮世絵に影響された作家といえばゴッホ。浮世絵が不用品として日本製の陶器のクッション材として使われていたのは有名な話ですが、ヨーロッパの人が日本の浮世絵を評価してくれなければ、浮世絵は現在まで残っていなかったかもしれません。ヨーロッパの方に感謝です。

ジャポネズリー:雨の橋(広重を模して)1887年油彩 カンヴァス
ジャポネズリー:梅の開花(広重を模して)1887年油彩 カンヴァス
ジャポネズリーおいらん渓斎英泉を模して)1887年油彩 カンヴァス

ファン・ゴッホ美術館蔵©Van Gogh Museum, Amsterdam(Vincent van Gogh Foundation)