皇居三の丸尚蔵館 一部開館中

皇居三の丸尚蔵館に行って来ました。改築工事中なので当分行けないと思っていたら、一部開館しているんですね。自分の情報がアップデートされていませんでした、、、。ということで現在開催中の「いきもの賞玩(しょうがん)」展に行って来ました。ちなみに賞玩とは「そのもののよさを楽しむこと。珍重すること。」(goo辞書より)です。

皇居の中にあります
大手門を入ってすぐです。皇居見学の観光客もたくさんいます。
大手門の中。階段を上がると塀の下に敵を返り討ちするための穴が空いています。


三の丸尚蔵館は皇室所蔵の宝物を保存管理、展示している博物館です。名品の数々があります。数年前に尚蔵館の作品が国宝になって話題になりましたね。尚蔵館は宮内庁管轄なので、国宝に指定しなくてもきちんとした管理がされている、と言う理由で国宝指定をしていなかったのですが、管理が独立行政法人国立文化財機構に移管されて一部国宝になりました。有名なのは狩野永徳の「唐獅子図屏風」や伊藤若冲の「動植綵絵」などがあります。国宝になったニュースの記事はもう3年前になるんですが「国宝指定」に書いてあるのでご覧ください。

山口素絢(やまぐち そけん)「朝顔狗子図」さすが円山応挙の弟子。応挙の絵だと思いました。期待通りのモフモフのワンコです!


今回の展覧会は尚蔵館所蔵の作品の中からいきものをテーマにした作品を集めて展示しています。最近、可愛い日本画の動物は人気ですよね。もふもふの犬とか擬人化した猫とかイロイロ。
平安時代の書画に始まり20世紀、さらに海外からの献上品まで幅広く展示されています。身近にいる動物達は生活を癒し楽しみを与えてくれ、作品となって目を楽しませてくれます。古代から現代まで永遠に好まれるテーマの一つですね。絵の中に脇役として描かれた動物に目が行ってしまいます。

長恨歌絵巻 下巻(作者不詳)江戸時代 細密で美しい。絵巻は楽しい。
長恨歌絵巻 下巻(作者不詳)江戸時代 鶴や鴨がいますね。


現在尚蔵館は改築工事中で一部開館なので、2フロアでの展示でした。正直物足りない。もう少し見たかったですが、全館オープンする予定の来年まで待ちましょう。展示数が少ないのでその分1000円と割安になっています!コンパクトながらも若冲の国宝「動物彩絵」のうち「池辺群虫図」も見れます。

12代西村總左衛門「刺繍水中群禽図額」 明治32年 刺繍、すごいです!!とても大きな作品。パーツしか撮るのを忘れてしまいましたが、全体も上品で素敵です。刺繍の最上級品だとは思いますが、刺繍の立体感や触感(触れませんが)と絵画表現が合わさるとこんなにパワフルで素晴らしい作品になるんですね。
加藤友太郎「玉蜀黍画花瓶」明治34年 姿も絵付けも美しい。骨董にハマるおじさんの気持ちが分かります。
工芸指導所「磁石応用四季草虫図衝立」昭和9年 蒔絵に虫が!!拡大したのでピンぼけですいません、、、ピンぼけだと余計本物の虫がついてるみたい、、、。

写真を撮り忘れてしまったのですが、沈 南蘋「餐香宿艶図巻」も展示されていました。江戸時代に当時の絵師達に多大な影響を与えた作家です。素晴らしくて沈 南蘋の作品をもっと沢山見たくなりました。

それと会期前半は岩佐又兵衛の小栗判官絵巻も展示されていたんですね、、。見そびれてしまった、、、。

いきもの賞玩」展は2024年9月1日までです。その後も皇居三の丸尚蔵館の貴重な宝物が鑑賞できる展覧会が続々と開かれますので公式HPでチェックしてみてください。また、国立近代美術館とも近いですし、出光美術館など皇居周辺には美術館が沢山あるので巡ってみるのもオススメです!

皇居三の丸尚蔵館公式HP

「いきもの賞玩」展 公式HP

国立西洋美術館 写本展

2024年7月現在開催中の『写本 いとも優雅なる中世の小宇宙展』を観てきました!

ルネサンスの以前、印刷技術が無い時代の本は一冊一冊書き写していました。それが写本。

私はデザイナーですが、Macでカタカタ打てば同じ書体がズラっと並びどんなに大きい文字も小さーい文字も綺麗に揃って打てます。挿絵も素敵なイラストをタダで探して来る事も出来る時代。でもこの頃は1文字1文字美しく綺麗に揃えて書き、美しい挿絵や装飾を描く。物凄く手が混んでいて、写本の職人、凄すぎます!素晴らしい!書いてみたい!文庫本のような小さいサイズの本もありました。すごい忍耐力と集中力が必要な作業ですね。

日本にも写経があり、そちらも美しいですよね。洋の東西を問わず、同じような文化が全く異なるカタチで表現されるのは面白いですね。

また、私個人的に西洋美術の中でも、中世絵画は大好きな時代です。ルネサンス以降やギリシャ彫刻のように完璧なバランス、美しさではないけれど、様々なデザインが施されていて、面白い!人物の絵もどこかデッサンがズレていたりするけど、それを上回る魅力があります!

中世らしい金を多用し、華やかで美しく、何故か文字に人物の顔が装飾されていたりして、楽しいデザイン。

中世はほぼ全ての作品がキリスト教に根付いています。ミサ用にミサ曲の楽譜が書かれているのも多く、4本線の楽譜の実物は初めて見ました!これは読めない…c(゚^ ゚ ;)ウーン

随分前ですが、イタリアの古都ボローニャに行った時に、中世の作品を集めた美術館に行ったのを思い出しました。中世絵画はマイナーで、私達以外に見に来ている人がいなかったような記憶がありますが、西洋中世絵画は素晴らしい!

写本を堪能した後、常設展も行きました。西洋美術館に行ったのは実は何十年振り?久しぶりにモネとかマネとか見ました。やはり美しかった。松方コレクションは点数も多く、改めて素晴らしいコレクションだと実感しました。中世以降の西洋美術史の流れを勉強するのにピッタリですね。

ジャクソン・ポロックも!

美術館はパワースポット!この夏はまだまだ行きます!