TRIO展

現在国立近代美術館で開催中の「TRIO パリ・東京・大阪 モダンアート・コレクション」展に行ってきました。『見て、比べて、話したくなる。』をテーマに、パリ市立近代美術館、東京国立近代美術館、大阪中之島美術館のモダンアートコレクションの中から共通点のある作品でトリオを組み、構成するという展覧会です。20世紀初頭から現代までの110名の作家による、絵画、彫刻、版画、素描、写真、デザイン、映像など150点あまりの作品で34のトリオが組まれ、それぞれを見比べながら鑑賞できます。結論から言うととても見応えがあって面白い展覧会でした。

まず入ると佐伯祐三の「郵便配達夫」がお出迎えです。有名な絵画ですが、実際に鑑賞したのは初めてでした。力強くて荒削りなタッチだけどオシャレ。パリだからかしら、、、。結構好き。

佐伯祐三「郵便配達夫」

東京国立近代美術館でのTRIO展は8月25日までなのでこの日(8月18日)は結構混んでいました。二重に人がいる感じ、、、。絵の目の前で見るために列に並んでいると時間がかかるので、1〜2歩引いた場所から眺め、気に入った作品は隙をみて近くに行ったりしながら鑑賞しました。また、たくさんの作家のたくさんの作品があるので惹かれた作品を写真に残し、知らない作家さんは後で調べることにしました。

 河合新蔵「道頓堀」 道頓堀がこんなに美しかったとは、、、。
藤田嗣治(レオナール・フジタ)「五人の裸婦」色使いと世界観、印象派っぽくもあり日本画っぽくもあり、美しいです。
岡本太郎「コントルポアン」こういった感じの作品も作られていたんですね。爆発して無い。coolです。
フランソワ・デュフレーヌ「4点1組」街に幾重にも貼られていたポスターを剥がして裏返してキャンバスに貼り付けた作品です。面白い。
佐伯祐三「ガス灯と広告」上のポスターを絵にするとこんな感じなのかな。パリの雑踏も感じられます。
有元利夫「室内楽」色、空間、モチーフ、どれと言われても困るけど好きです。
前田藤四郎「屋上運動」1931年の作品。独特の色合いとか影とかポーズとか面白い。
エル・リシツキー 石版画集 『太陽の征服』 より 「スポーツマン」「 喧嘩を売る男」「老人(歩後退する指導者)」「墓掘り人夫」「新人類」
暗くなってしまいましたが、実物はもっと輝いています。
イヴ・クライン「青いヴィーナス」久しぶりの大好きなイヴ・クライン。美しいインターナショナル・クライン・ブルー

TRIO展を楽しんだ後、「MOMATコレクション」展も鑑賞して来ました。所蔵作品展ですね。特別展のチケットでこちらも鑑賞できます。こちらにも名作がたくさんあり見応え十分ですが、キリがないので、1点だけご紹介します。

ソル・ルウィットの「ウオール・ドローイング#769」です。3階から4階にかけて吹き抜けになっている「建物を思う部屋」にあります。黒板なのか黒い紙なのかそこにチョークで描かれています。ソル・ルウィットのアイデアをドラフトマンが製作するという製法です。作曲家と演奏家のような関係性で、両者によって作品が完成するそうです。黒い壁に囲まれているにも関わらず、圧迫感が無く、心地良い空間でした。ちょっと奥まったところにあるので気が付かない方が多いのか、人がほとんどいませんでした。ぜひ来館された方は見つけてください!

3面が作品に覆われています。
それぞれの番号を組み合わせると出来るようです。まさに楽譜。

今回、日本人のモダンアートをたくさん見ることができました。素晴らしい作品を見つけることができて大満足。当日の朝、他の予定を変更して行ったのですが、行って良かった〜!

8月25日までが東京国立近代美術館、そちらが終了後、2024年9月14日(土曜)〜12月8日(日)まで大阪中之島美術館で開催されます。詳しくは公式サイトをご覧ください。

TRIO展 公式サイト