【初心者でも楽しい!浮世絵の見方】北斎漫画に見る『かわいい』と『面白い』の関係〜北斎漫画についてその3〜

【初心者でも楽しい!浮世絵の見方】北斎漫画に見る『かわいい』と『面白い』の関係〜北斎漫画についてその3〜

[Fun even for beginners! How to appreciate Ukiyo-e] The relationship between “cute” and “funny” in Hokusai Manga ~ About Hokusai Manga Part 3 ~

北斎漫画は北斎の技術センスユーモアが詰まっています。今回は『かわいい人』をピックアップしてみようと思います。

初編 お坊さんの真似をしている一般人。大きい口で一生懸命なのがかわいい
三編 お米の収穫。籾殻を取ろうとしているのかな?下の人のザルに入ってないよ、、、。
六編 武術の稽古を見ている人。ふむふむ。頑張ってるな〜。真一文字の口がキュートです。
八編 肩凝ってる?マッサージしてやるよ。う、イテテ!マッサージしている人の満足げな顔がかわいい。
八編 縁台でうつらうつら、、。まんまるお腹が可愛いです。
九編 このくらい重くないよ〜。ヒョイ。ポーズがかわいい。
九編 久しぶりの甲冑だからな〜、どうやって着るんだっけ?体型と甲冑が似合わない、、。


作品を見ているうちに、『かわいい』と感じる人の絵はちょっと滑稽でアンバランスな人だということに気がつきました。人が『かわいい』と感じるものにはどこか『滑稽さ』があるのではないかと思います。バランスが良く美しいと「かっこいい」になるのでやはり滑稽さ、アンバランスさは『かわいい』の一要素であるようです。作品を選んでいて、かわいい人だか面白い人だか分からなくなりました、、、。
唐突ですが、私はモルモットを飼っています。モルモットは極端に足が短くコロコロと太っています。足が長くすらっとしているボルゾイ犬やウマはかっこいいとなりますが、モルモットにかっこいい要素はほぼありません、、、。でもアンバランスで滑稽な姿がたまらなく可愛いのです!

九編 赤ちゃんのお尻。いつの時代も赤ちゃんはかわいい。
十編 みんなで踊っています。お祭りかな。夢中になっててかわいい!
十五篇 提灯をかざしている人。仕草と、ドヤ顔がかわいい。
角隠しをしたお嫁さんをおぶっているのはお婿さん。照れてるお嫁さんと優しい顔のお婿さん。幸せ溢れてかわいい。

北斎漫画は面白い人の絵もたくさんあるので、面白い人とかわいい人の境界線に悩みました。北斎は『かわいい』と思って描いたのか、『面白い』と思って描いたのかは分かりませんが、色々な仕草の人を描いている北斎は人間を愛情を持って観察していたんだろうと思います。

北斎漫画BOX 全3巻セット [ 葛飾 北斎 ]

価格:5170円
(2025/11/12 09:52時点)
感想(1件)

【浮世絵の見方】北斎漫画の『かわいい動物』から見る江戸から続く「かわいい文化」〜北斎漫画について〜その2〜

【浮世絵の見方】北斎漫画の『かわいい動物』から見る江戸から続く「かわいい文化」〜北斎漫画について〜その2〜

How to Appreciate Ukiyo-e: Seeing the “Kawaii Culture” that Has Continued Since the Edo Period Through Hokusai Manga’s “Cute Animals” ~About Hokusai Manga~Part 2~

葛飾北斎の代表作・北斎漫画から『かわいい動物』の絵を紹介します。
北斎はあまり動物の絵を描いていません。北斎漫画でも人の絵の方が圧倒的に多く、動物は膨大な作品から見ると、ほんの少し、といった感じがします。動物の中では馬や鳥、晩年には竜(動物とは言えませんが)をよく描いていましたが、そちらは今回は除外して、身近な可愛い動物の絵を集めました。

猿。初編より。手長いですね。ぬいぐるみみたい。モフモフ感が可愛い。
てん。二編より。おーい、って呼んでるみたい。しっぽがもふもふ
子犬。4編より。ころころして可愛い。
子犬。4編より。猫にも見えます。コロコロ。
虎。十三編より。空を飛ぶ夢見る虎って感じですね。目が可愛い!
りす。十四編より。もふもふ。チョロチョロ動き出しそうで可愛い!
唐犬。なんとも言えない情けない表情が好きです。温かさを感じます。
猪。十五編より。飛んでるのか、砂地を走っているのか、楽しそう。表情がかわいい!
猿。十五編より。小猿かな。丸くて可愛い。
猿。十五編より。何か見つけたのかな?仕草が可愛い!

いずれもモフモフ感があって可愛いですね。「かわいい」という言葉には単に形状が『かわいい』というだけでなく、『愛らしい』が含まれていますから、北斎の温かさを感じます。多産家の北斎にしては作品点数は少なめですが、身近な動物に愛情を込めて描いていました。

The word “cute” doesn’t just mean that the shape is cute, it also means that it is adorable, so you can feel the warmth of Hokusai. Hokusai was a prolific artist, but he produced a relatively small number of works, but he painted familiar animals with love.

北斎漫画BOX 全3巻セット [ 葛飾 北斎 ]

価格:5170円
(2025/11/12 09:52時点)
感想(1件)

浮世絵に描かれた江戸時代の相撲

浮世絵に描かれた江戸時代の相撲

Sumo in the Edo period depicted in ukiyo-e

鬼面山谷五郎 出羽海金蔵/葛飾北斎筆(春朗)
江戸時代・18世紀
出典:ColBase (https://colbase.nich.go.jp)

日本の相撲の歴史は古く、古事記(712年)や日本書紀(720年)の中にも力比べの試合の様子が書かれています。神事や祭りとして行われ、伝統的な武道の一つです。江戸時代も相撲の人気は高く、人気力士の姿が浮世絵に描かれました。その一部をご紹介します。

荒馬・鴻ケ峰/勝川春英筆
江戸時代・18世紀
出典:ColBase (https://colbase.nich.go.jp)
谷風・江戸ヶ崎・柏戸/勝川春好筆
江戸時代・18世紀
出典:ColBase (https://colbase.nich.go.jp)

大きな力士の姿は画面いっぱいに描かれています。現在でも聞かれる名前も見られます。

谷風・瀧ノ音/勝川春英筆
江戸時代・18世紀
出典:ColBase (https://colbase.nich.go.jp)
梶浜・陣幕/勝川春英筆
江戸時代・18世紀
出典:ColBase (https://colbase.nich.go.jp)

両国橋を渡る力士一行。周囲の江戸の人たちよりも倍位大きいですね!浮世絵はデフォルメしていますが、実際に一般の人よりもとても大きかったのでしょう。現在もお相撲さんに会うとビックリするくらい大きいですよね。

両国勧進大相撲晴天大當繁昌之圖/勝川春章筆
江戸時代・18世紀
出典:ColBase (https://colbase.nich.go.jp)

赤沢山の近隣の武将が狩猟の後に行った余興としての相撲。武士の楽しみです。

赤沢山の相撲 3枚続 左/勝川春章筆
江戸時代・18世紀
出典:ColBase (https://colbase.nich.go.jp)
赤沢山の相撲 3枚続 中/勝川春章筆
江戸時代・18世紀
出典:ColBase (https://colbase.nich.go.jp)
赤沢山の相撲 3枚続 右/勝川春章筆
江戸時代・18世紀
出典:ColBase (https://colbase.nich.go.jp)

北斎漫画にも描かれています。お茶目な力士。

北斎漫画 葛飾北斎
The New York Public library digitalcollections

当時、相撲と関係の無い分野でも番付表を作って宣伝をしていました。温泉番付やグルメ番付などなど、こちらは芝居番付。庶民に相撲が人気で番付表は分かりやすく、宣伝に効果的だった証拠です。

芝居番付 寛政七年卯霜月 都座/鳥居清長筆
江戸時代・寛政7年(1795)
出典:ColBase (https://colbase.nich.go.jp)

葛飾北斎の描いた江戸の平和な日常

葛飾北斎の描いた江戸の平和な日常

The peaceful daily life of Edo as depicted by Katsushika Hokusai

最近、戦争のニュースが連日報道されています。平和な世の中でなければ人々の生活は豊かにならないし、文化も発達しません。でも人間の歴史は戦争とともにあります。こんなにも人間という生き物は戦うことが好きなのか、と絶望的になってしまう時もあります。

世界的に稀な事のようですが、日本の歴史の中には戦争が起こらない平和な時代が2回あります。平安時代は約400年間続きました。江戸時代は265年間。長い戦国時代を経て泰平の世を、と願い、徳川幕府ができました。その泰平の時代に日本の独自の文化は華開きました。生活も豊かになり、のんびりとした平和な時間を描いた葛飾北斎の名画を紹介します。

新板大道図彙・石町 葛飾北斎筆 文政8年(1825)頃 横四つ切判 錦絵 
平和で豊かな江戸の町の日常の一コマ。大好きな絵です。
出典:ColBase(https://colbase.nich.go.jp/)国立文化財機構所蔵品統合検索システム
新板大道図彙・通町 葛飾北斎筆 文政8年(1825)頃 横四つ切判 錦絵
子供達が楽しそうに遊んでいるのを大人が優しく見守っています。温かい町の風景です。
出典:ColBase(https://colbase.nich.go.jp/)国立文化財機構所蔵品統合検索システム
北斎 諸国瀧廻り

北斎 諸国瀧廻り

Hokusai: Visiting Waterfalls in Various Provinces

葛飾北斎ってやっぱりすごいです。日本を代表する画家ですし、作品数も多いし、印象派に影響与えちゃってるし、ロシアのどこかのマンションの壁面一杯に神奈川沖浪裏とか描かれちゃったり、簡単に語っちゃっていいのか?というぐらいの巨匠ですよね。

北斎の魅力の一つは構図の大胆さ。『諸国瀧廻り・木曽路ノ奥阿彌陀ヶ瀧』はその代表的な例です。滝の上の丸い水の塊は何?こんな滝ないでしょ。その塊からドバーっと滝が流れてくる。落差約60m。滝のダイナミックさとか迫力とかちゃんと伝わってくる。そしてデザイン的。日本の絵画は写実性と抽象性が絶妙のバランスになっているんですね。

諸国瀧廻り・木曽路ノ奥阿彌陀ヶ瀧
しょこくたきめぐ きそじ おくあみだがたき  大判錦絵 天保4年頃 出典:ColBase(https://colbase.nich.go.jp/)国立文化財機構所蔵品統合検索システム

滝の前でお弁当広げてる人物もいい。こんなすごい滝の前で、きっとマイナスイオンを浴びながら滝を楽しみ、おしゃべりに興じている。北斎の人物はいつも人生を謳歌しています。

北斎はとにかく作品が面白い。当たり前過ぎますが、北斎展に行って、作品数もものすごく多かったのですが、夢中で観ていて、疲れ切って仕方ないから出口に向かったのですが、気がついたら3時間ぐらい見ていました。でも全く飽きない。体力がもっとあったらずっと見ていたかった。北斎は面白い。楽しい。大好き。単なるミーハーです。

北斎の絵に対する執着心と変人伝説これぞ芸術家!本人に出会えても(たとえ尊敬してたとしても)凡人の私では友達にはなれなかったかも知れません。仏像背負ってブツブツ念仏唱えて歩いていた、とか、あれだけ売れっ子なの常に貧乏とか、名前もお金に困ると売っちゃうからコロコロ変えちゃうし、当時の芸術家名鑑に住所不定って記載されてる、、、。エピソードも超一流です。

こちらの作品に描かれた阿弥陀ヶ滝岐阜県郡上市にあり日本の滝100選に選ばれています。遊歩道が整備されていて、滝の近くまで行けるそうです。絵の中のお弁当食べてる崖は無さそうですが、、、­アフターコロナ に行きたい場所がまた増えてしまいました。

実際の阿弥陀ヶ滝。美しい滝です。