Kindle出版にチャレンジ・後編/Kindle Comic Creatorと格闘編

かなり遠回りをしてしまいましたが、Kindle Comic Creatorで再度電子書籍を作ります。結果的にKindle Comic Creatorで出版できたので詳しく説明します。
Kindle Comic Creatorを開いて「新しい本を作成」をクリック。


言語や縦横などを選び、サイズを入力します。画集などはダブレットで読まれる方が多いそうなのでこちらもタブレットサイズに。小説などを読む方はスマホで読まれる方が多いかもしれませんね。「続ける」をクリックして次の設定へ。


タイトルや著者、出版社(法人ではなくてもok。私はこのブログ名をそのまま使います。)を入力し、カバー画像を選択。保存先をきちんとセレクトしないとMACの中で迷子になっちゃいますのでちゃんとセレクトして、「ページの追加を開始」をクリック。


すると、ファイルをセレクト出来るので事前に用意していたjpg画像を全て選びます。
すると1画像1ページで出来上がり!もちろん後からでも左上のアイコンをプチっとしてページの追加や削除も出来るし、ページの順番も変更できます。


本の形が仕上がったら、「ファイル」から「KF8ブックとしてエクスポート」を選ぶと電子書籍が出来上がり!

KindlePreviewerをダウンロードしてプレビューしてみましょう!
やっと出来た〜と思ったら、今度は色が変。bookで見た時は大丈夫だったよ??分からない。もう一度やり直して、ん〜おかしい。と気がついた!!Illustratorで編集したので、CMYKのままだった!普段は印刷物をデザインしているので、CMYK設定じゃ無いと大変なことになるけど、こちらはweb。RGBじゃないといけなかった、、、。もしかしたらpagesでエラーになったのもこのせいかもしれません。なんてこった!ということは、もう一度Illustratorに戻って全てRGBにして作り直し、、、。そうだよね。RGBだよね。うん。普段印刷媒体を作っている人は要注意ですね。

作り直して書き出したjpgを再度Kindle Comic Creatorに入れて、今度こそ、出来ました(泣)。
Kindleダイレクトパブリッシングにデータをアップしたら、今度はok! 値段を設定し、アンリミテッドの設定もして、無事出版に漕ぎ着けました!なんだかんだ、出版を決めてから1ヶ月。簡単に出来るよ〜、って聞いたけど、50ページの本に1ヶ月って、、、。結構大変。でも2冊目はきっともう少し楽に出来るはず、、、。多分。今回は文章少かったので2冊目はもう少し文章書いて、ページ数も増やさねば。ライター業務も頑張るぞ!

Amazonにて販売中です!

Kindle出版にチャレンジ・前編/Kindle Comic Creatorとpagesに格闘編

チャレンジって、この歳で(年齢は非公開ですが)チャレンジするってなかなか無いかも?(と世間的に思われるような年齢です)でも近年、停滞した自分自身の時間を動かすべく、色々取り合えず試してみようとしていて、新たなことに挑戦しています。
それはさておき、Kindle出版を始めようにも何をどうしたらいいのかも全く知らないド素人が、取りあえず出版できたよ、って話です。

前回の「Kindleで電子出版始めました!」に書いた、むうさんと渋谷さんに全て教えて頂いた結果です。
Kindle出版はAmazonのKindleダイレクトパブリッシングに作品をアップすれば良いのです。誰でも公序良俗に反しないものであれば出版出来ます。(厳しい規定は無いようですが100%出版可では無いかもしれないので詳しくは公式ページをご確認ください。一応審査はあるようです。)
まず必要なのは当然ですが「作品」ですね。何を出版するのか、その内容によって、本の作り方が変わってきます。小説やエッセーなど、基本的に文章のみの本はKindle Create、漫画や写真集など、図版が多いものはKindle Comic Creatorを使用すると簡単に作れます。こちらはAmazon Kindleの推奨ソフトで無料でダウンロード出来ます。

と、ここで素人の私はいきなり壁にぶち当たります。Kindle Comic Creatorがダウンロード出来ない!my PCはimacのM1チップなのですが、もしやM1チップに対応していないのか??ショック(泣)「Kindle Comic Creator v1.1 for Intel Mac (OSX 10.6 以降) 」ってかるけど、Intelじゃ無いとダメなの〜!?

ネットで調べたらMACにデフォルトで入っているpagesでも作れると出ていたので、pagesで作ってみました。
pagesも今年になって初めてちょっと使っただけでよく分からないけどやってみる。テンプレートから「ブック横」を選ぶと写真集が出来る設定になっているのでそちらを選びます。(文章メインの本は縦型を選びます。)

pageaのテンプレート。色々あるので自分が作りたい本に近い物を参考にしましょう。

白紙のページに江戸の写真を載せて作品名や説明を打ち込んでいくと簡単に本が出来上がります!おおお〜〜〜思ったより簡単!出来たデータをEPUB形式で書き出すと電子書籍の出来上がりです。書き出したデータをダブルクリックするとbook(こちらもmacに搭載されてるやつ)が開いて読むことができる!わ〜い!と思ったのですが、なんか違う。バランスとか、やっぱりちゃんとデザインしないとカッコ悪い。ということで一からやり直し。根本的に編集し直しです。

Apple Booksでプレジューできます


pagesは元々デザインソフトでは無いのでやっぱりキッチリ作るにはIllustratorやInDesignで作らないとですね。ということで一番使い慣れているIllustratorで全ページ編集し直し。Illustratorで作ってjpgで書き出します。そのjpgを貼っていけばいいんですね。ここで大切、渋谷さんからアドバイスを頂いたように、アートボードをピクセルで設定します。普段はmm設定ですからね。しっかり設定変えないと全部やり直しになってしまいます。ピクセルでタブレット画面のサイズにして編集開始。

Illustratorが一番慣れてるので、Illustrator触っているとホッとする。

英語訳を付けたかったのでほぼ文章は入れていないのですが、編集作業って意外と大変。TAPIRUSの渋谷さんは500ページ以上の本を出版されてて、尊敬です。本業じゃなくてサイドビジネスですからね、これ1日中やっても何日かかるんだろう、、、。900ページの本もあるそうです。果てしないな。デザイン900ページってことですからね、、、。

今回は50ページなので取り合えずIllustratorのデータはできた!jpgにもした!次にpagesもタブレットの書類サイズにしたいのですが、どこで変えるか分からず、ネットで調べました。「ファイル」メニューから「ページ設定」を選択すると「用紙サイズ」のポップアップメニューが出てきます。「カスタムサイズを管理」を選択するとサイズを入力できます。もっと簡単にサイズ変更できないもんかな〜とかブツブツ言いつつ、サイズを変更し、編集していきます。貼り付けるデータ自体はできているのでここは簡単。ペタペタドロップして貼れば良いだけ。EPUB形式で書き出してbookで見ると、おお〜出来てんじゃん!

取り合えず試しにKindleダイレクトパブリッシングにアップしてみよう!と思ったら今度はアップできない!エラーが、、、(泣く)。pagesのせいなのか??なんか、文章メインだと上手くいくけど、写真メインだと難しい、と失敗談がネットでも出ていたので、TAPIRUSの渋谷さんに頼って、違うソフトを教えていただきました。(もしかしたらpagesのエラーは単純なミスかも、、、。原因と思われるのは後編に)

漫画のEPUB3作成ツールでも作成できます。こちらもオンラインの無料ソフトです!すごい、そして意外と簡単。一気にjpgデータをアップロードしてプレビューしてみたら、おおお〜できてる!ただ、見開きの作品集を作りたかったので、それにはちょっと一手間必要なんですね。そのためのソフトがなんとダウンロードできない(泣)。この辺でちょっとメゲた。

もう一度pagesに戻ったけど、やはりダメで、Kindleダイレクトパブリッシングを読むとやはりKindle Comic Creator推奨。ダメ元でもう一度チャレンジしたら、なんと今度はダウンロードできた!!やった〜〜!って、この前なんでできなかったんだ??単に通信が悪かっただけか??ということでKindle Comic CreatorはmacのM1チップでも大丈夫でした。

長くなったので続きは後編に!

amazonにて販売中です!

Kindleで電子書籍出版始めました!

Ukiyoe-3dimensionsシリーズとして中村宣夫作品集を出版致しました。第一弾は江戸城です。

家康、秀忠、家光の築いた三天守と建造されなかった四つめの天守。江戸城全景、将軍の生活、大名登城、役人、大奥の作品を集めました。是非Amazonにてご覧下さい!
今まで出版社の仕事をしていた割に、というか出版社と仕事をしていたせいか、自分達で本を出版する事を考えた事がありませんでした。なのに、なぜ今さら?
実は先月のイベント江戸時空に若い頃勤めていた会社のコピーライターの「むう」さんが遊びに来てくれました。私と同世代で子育てもしていた彼女は、今でもちゃんとコピーライターもしていて、ショートショートの編集もしてKindleで出版していました。すごい。静かな人なのにパワフル!そんな彼女が電子書籍出版を勧めてくれました。(おまけに舞台の台本も書いていた、、、刺激されます)

実は今まで紙での出版は考えたことがあったのですが、電子出版を考えた事が無かったので、結構衝撃でした。私的には本は紙が好きで漫画以外はほぼ紙の書籍。手元に残る感じも好きです。特に画集や専門書関係は、学生の頃からずっと残しています。断捨離してもこの辺だけは捨てられない、、、。
でも本は紙、という概念は古いですね。特に写真集や作品集はデジタルの方が気軽で綺麗かもしれません。印刷や紙によって色も作品の表情も変わりますから。元々デジタル作品ですしね。作品もネタもあるし、Kindleなら簡単に出来るよ、とむうさんにアドバイスを受けて、早速その気に。
Kindleで美術書を多く出版しているTAPIRUS出版の渋谷漠さんを紹介してもらって、初心者の私に色々教えてくれました!凄い良い方で、マヌケな私に色々アドバイスしてくれて、背中を押してもらいました(T ^ T)

むうさんも渋谷さんも執筆。
vol.11まで発売されてる人気ショートショートマガジンです。
Kindleで人気のアートブックをたくさん出版しているTAPIRUSさん

出版するための編集と電子書籍にした時のマヌケな顛末はまた次回。

川越祭

10月14〜15日は川越祭でした。地元のお祭りが世界遺産って誇らしいですね。


我が家はちょっと街から外れているので、電車に乗って東武東上線川越市駅まで行きました。普段、川越の街に行く時は自転車で行くのですが、祭りの時は駐輪場がいっぱいになっているだろうと、電車を利用。
川越祭は昔から激混みですが、案の定、今年も激混み!でも西武線本川越駅から蔵の町に伸びる道路が拡張工事によって広くなったので、割とスムーズに蔵の町まで行けました。(昔は諦めて駅前の屋台で遊んで帰ってました)

まず最初の楽しみは、本川越駅前に出ているkoedoビールのテントです!まずここでビールを買って飲みながらブラブラ〜。年に一度の楽しみです。周りにツマミに良さそうな屋台がずらりと並んでいますが、取り敢えず先に進みます。

川越祭ビール!

山車は29台出ているので、ぶらぶら歩いているとお囃子の音とともに山車に出会えます。山車は県や市の文化財になっているものが多く、街中で文化財を堪能でます。山車同士が出会うと、「曳っかわせ(ひっかわせ)」というお囃子とダンスバトルが始まります。山車の前に乗っている「ひょっとこ」や「おかめ」達の見せ場ですね。

日が傾くと提灯がついてより一層美しくなります。


今回は昔の仕事仲間のカメラマンさんも遊びに来てくれたので途中から一緒に回りました。初めての川越だったそうで、思った以上に綺麗に昔の街並みが残っている、と驚いていました。次回はお祭りじゃない時にゆっくり町を見たい、と言って頂き川越市民としては嬉しい限りです!

すごいガチャを発見、川越っぽいぞ
1銭が出てきました
蔵の町の信号はこんなことになってます。山車がぶつからないように回転できるようになっているんですね、、、。
今年も行けなかった、蓮馨寺のお化け屋敷。

MOA美術館

この夏、久しぶりに熱海へ温泉旅行に行ったので念願のMOA美術館に!

岩佐又兵衛がある!という事にしか興味が無かったので、どんなところにあるとか良く知らずに行ったのですが、行ってびっくり、というか行く途中でびっくり!!熱海の山の上、しかも温泉街からは細くて急な山道を行かなければならず、、、。クネクネ曲がっているし、次男の運転で行ったのですが、もう行かなくても良いかな、くらい怖かったです、、、。他のルートもあったのかも知れませんが、温泉街に出るには多分細くて急な坂道を通らないとダメだと思います。熱海が坂の街だから仕方ないですね、、、。

でも事故らず、無事に到着。ホッ。

肝心の美術館ですが、とても美しい美術館でした。なんと言っても山の上なので眺めが良い!窓からの景色が既に絵画でした。おすすめの観光スポットですね。

鎧塚氏のレストランも入っていて、まさか熱海で、一流パティシエのケーキが食べれるなんて!貴重な体験!美味しかったですよ。

秀吉の金ピカの茶室も再現されていました!

今回の展示は浮世絵で、「北斎 The Great Wave × Digital」を開催していました。という事で、見たかった又兵衛の絵巻は見れなかったのです、、、(泣)。常設展示はしていないんですね。でも又兵衛風の屛風と浮世絵が見れて良かったです。北斎も大好き!

こちらの美術館はお庭も素敵だそうですが、今回は時間がギリギリに入ったので、お庭が見れず、残念でした。

又兵衛かな〜と必死に見たのですが、違うかも。毒さが足りない。
こんな大胆な構図の屏風も好きです
美しい肉筆浮世絵

オマケですが熱海の花火は見事でした!ホテルの屋上から見ました。熱海の街が花火に飲み込まれそうです。また温泉入りに行きたいなぁ~。

江戸を精密再現したイベント開催

VRで江戸時代にタイムトラベルできるイベント「江戸時空」が9月1日からカレッタ汐留にて開催します

歴史CG作家・中村宣夫と先進映像TECH共創ラボ- EJEVAR(エジェバル)がコラボレーション。精密再現された寛永時代の江戸城本丸御殿と日本橋、裏長屋、吉原を先端VR技術でタイムトラベル体験。

東京ではなく江戸と呼ばれていた時代。わずか150年前のことなのに、その時代の人たちがどんな町でどんな生活をしていたのか知りません。

もっと江戸を身近に感じて欲しいから。3DCGで町を蘇らせました。

日本橋の町の美しさや、長屋の狭さ、吉原の妖艶さ、そして江戸城の壮大さ。全て視覚から理解できます。

EJEVARの5つのコンテンツ「DOME ROOM」「CUBE ROOM」「SURFACE」「HEAD MOUNTED DISPLAY」「LANTERNA」で江戸の町を旅してみませんか?

「DOME ROOM」「HEAD MOUNTED DISPLAY」では江戸城御殿内部、日本橋、裏長屋は当時の生活の様子をナレーション付きで詳しく上映致します。

「CUBE ROOM」では3面に投影される美しい映像をお楽しみください。

「SURFACE」では中村宣夫の過去の作品をスライドショーとして上映。ドームやキューブでご覧頂けない、江戸各所や江戸城4天守を上映します。

「LANTERNA」はカフェや生活の一部に江戸を感じられるディスプレイです。江戸時代の日本人にとってアートは生活の一部。そんな生活を現代の最新技術で再現します。

歴史好きの方だけでなく、歴史が苦手な方にも江戸を身近に感じていただけるイベントです。

江戸VRのイベントを準備中

中村の3DCGをVRにしたイベントを準備中です。

おしゃれなカレッタ汐留のEJEVARを江戸の空間にします!

江戸時代の日本橋、裏長屋、吉原、そして江戸城御殿の内部をVRにしました。かなりクオリティの高い作品で、内容も濃く出来ていると思います。ナレーション付きで江戸をわかりやすく解説します。

その分制作に時間が掛かっておりまして、本当は春の予定が夏になり、秋も近づく頃やっと実現の目処が立ってきました。

初めて本格的なイベントの開催をするので「あれもこれもやりたい」と「あれもこれもやらなきゃ」とバタバタしております。V広報活動も初なので戸惑う事ばかりです。

でもサポートしてくださる皆様のお陰でどうにか近日中に開催のお知らせが出来そうです。

江戸絵画の華展

『江戸絵画の華』展に行ってきました!と書こうと思っていたら、もう2月!1月10日に予約をして行ってきたのですが、日々色々な事に追われ、あっという間にひと月経ってしまいました。

今回は伊藤若冲の「鳥獣花木図屏風」を目的に行ってきました。本当は2年前に企画されていた展覧会ですが、コロナで延びてやっと今年お目にかかれました!

この展覧会は2019年にアメリカのプライス財団の日本画コレクション約190点が出光美術館のコレクションに加わりました。その中から約90作品を第一部と第二部に分けて展示公開しています。現在は第一部公開中です。

若冲の作品だけでなく他の作品も素晴らしく、これらの作品が日本に帰って来た事は本当に嬉しい。出光美術館には感謝しかありません。今回お目当ての「鳥獣花木図屏風」も、アメリカにあったので直接見る機会は無いかも、と諦めていました。本当に嬉しい。日本は戦争や震災もあったので、その期間アメリカで大切に保管されていたから今でも良い状態のまま作品が残っていたと思うと、エツコ&ジョー・プライス夫妻にも感謝です。そして審美眼の高さに感服します。

その「鳥獣花木図屏風」。いつも若冲の執拗なまでの細密描写には驚かされますが、この作品は同じ細密でも全く違う作品です。タイル状の升目を延々と描き、多くの動物と草木を描き、更に周囲に額縁の様な同じモチーフを描いています。今ならコピペで一瞬ですね〜。若冲の絵に対する執着、パワーを感じました。動物彩絵の羽の一つ一つを描く緻密さとは少し違って、新鮮でした。これを江戸時代の人が描いたなんて。この絵を見るといつもゴーギャンやアンリ・ルソーの「夢」を思い出します。もし彼らがこの絵を見たらショックを受けるのでは無いでしょうか、、、。

伊藤若冲「鳥獣花木図屏風」江戸時代 18世紀  六曲一双 紙本着色 168.7×374.0cm
江戸絵画の華展カタログより

若冲も他の作家と同じように工房を持っていたようで、弟子たちと共に制作していたらしいことが近年の研究で明らかになっているそうです。これだけの作品を一人で手掛けるのは難しいですから当然と言えば当然です。コピペ出来ないですからね〜。以前から思っていたのですが、工房で弟子と共に作品を作っていても弟子が育つ工房と育たない工房があります。狩野派や浮世絵の歌川派などは多くの有名な弟子が生まれていますが、若冲や又兵衛、北斎も弟子を取っていたのにその弟子は有名になりませんでした。個性の強すぎる師匠は弟子を育てるのには向かないのでしょう。好きな作家ばかりですが、、、、。

また元々この絵画は日本間に飾られていた、というのも新鮮です。現在は美術館の展示ブースのガラスの奥にありますが、元々はどこかの、多分京都の武家か豪商の御屋敷にあったはずです。畳と襖の部屋にこの屏風!サイズも大きく迫力があります。ぜひそのシチュエーションで展示して欲しいものです、、、。

ちなみに今回の展覧会は予約制ですので、ゆっくり見られて大満足です!人混みの後ろからチラッと見える、なんて事はありません。余裕を持ってじっくり見られます。出光美術館の貫禄を感じます。第二部も予約しないと!

「江戸絵画の華展」出光美術館2023年1月7日〜3月26日

古尾谷八幡神社御朱印

今年初ブログは縁起の良い話題から。

川越市にある古尾谷八幡神社の御朱印を作りました!全国的に珍しい、もしかしたら全国初?のCG制作による絵入御朱印です。

古尾谷八幡神社は863年(貞観4年)に創建された歴史の深い神社です。石清水八幡宮の分霊をお奉りしたのが始まりで、源頼朝や藤原時景、北条氏政、徳川家康にも縁があり、宮司さんや氏子の方々によって大切に現代まで守られています。社殿は埼玉県指定有形文化財、9月に行われる神幸祭、別名「ほろ祭」は県指定無形文化財です。

川越市民ではありますが、御朱印を製作したいというご連絡を頂いてから初めて古尾谷八幡神社に行きました。「ほろ祭」が有名な神社なので、一度行きたいと思っていたのですが、自宅からは少し離れているのを言い訳に行ったことがありませんでした。良い機会を頂いたのでお話を伺いつつ、神社をお参りして来ました。

古尾谷八幡神社は川越市内ですが荒川に近く市街地から離れていて、公共交通機関を利用すると、JR川越線南古谷駅から徒歩35分!周りは田圃に囲まれている長閑な場所にあります。自宅からサイクリングしながら行った方が早いので長閑な風景を眺めながら伺いました。

神社のすぐ近くの田圃の中に鳥居を見つけました。
これは古尾谷神社ではありません!
畦道に鷺

失礼ながら、川越のハズレの小さい神社だろうと思って行ったのですが、想像以上に敷地が広く、大きな鳥居は石造と木造の3つもあり、社殿も大きく大変立派な神社でした。これはもっとたくさんの方に来て頂いて古尾谷八幡神社を知って頂きたい!そしてこれからも末永く守って行ってもらいたいです。

一番外側の石造の鳥居から。
雨が降りそうな生憎の天気。
赤い鳥居を入ります
更に石造の凱旋門もあります。
本殿。修復工事をされて綺麗です。
奥行きがあり、立派な本殿
本殿の後ろにも社が沢山。県指定文化財です。
手水舎の上にも狛犬が!可愛い
狛犬多いめです。狛犬好きの方にもおすすめ

アクセスはあまり良くありませんが、私と同じようにサイクリングで来る方も多いようですし、駐車場もありますので、神社好きの方、御朱印を集めている方は是非行ってみてください。

小さい神社ですので、御朱印ご希望の方は連絡してから参拝して頂いた方が良いそうです。CGの御朱印だけでなく、通常の文字のみの御朱印もあります!

アクセス等は下記HPを参考にして下さい。

小江戸川越ウエブ https://koedo.or.jp/spot_148/

古尾谷八幡神社宮司さんツイッター https://twitter.com/furuoyashrine

岩佐又兵衛

江戸初期の画家、岩佐又兵衛勝以については3回目になります。

9月に行った「日本美術をひも解く」展で又兵衛の絵巻「をぐり」を久しぶりに鑑賞したら、やはり素晴らしくて、国宝が居並ぶ中、ダントツ!と思い(主観です)その後又兵衛の絵巻の図版を数冊購入しました。

又兵衛の絵画は緻密かつ躍動感があります。その人物は表情豊かです。絵巻は当時、漫画のようなアニメのような存在で、詞書(ことばがき)で物語を語り、そのシーンが描かれています。又兵衛の絵巻には絵に勢いがあり、かつ、一つ一つのディテールは細かく、細密です。また陰を描いている箇所もあり、立体感もあるので、絵だけ見ていても次の展開がどうなるんだろうかと引き込まれます。このような、躍動感があり、かつ極彩色な絵巻は少ないのではないでしょうか。

牛若丸の母、山中常盤の息絶えるシーン。
母の瀕死の表情と、宿の主人夫婦の切ない表情。
山中常盤の牛若丸が盗賊を仇討ちするシーン。
戦国の世を生き抜いた又兵衛。血生臭い。

細密画といえば若冲ですが、若冲は「動物彩絵」に代表されるように動植物を好んで描いてましたが、又兵衛は人物。人に対する、愛なのか憎しみなのか、執念なのか、そのエネルギーをさまざまな人物のさまざまな表情、行為を描くことに向けている。人間臭い、ドロドロした感情も見える。又兵衛の最大の魅力がその人間の情感を描いているところだと思います。

先日、「川越仙波東照宮の特別公開」に行ってきました。仙波東照宮は重要文化財ですが、その拝殿には又兵衛の「三十六歌仙額」があります。この作品の裏書から半ば伝説的だった浮世又兵衛が岩佐又兵衛であり、勝以である事が証明され、又兵衛研究が進んだ重要な作品です。

今回の特別展では本殿と御神体(家康公)や拝殿内部と共に「三十六歌仙額」全作品も一緒に公開されました。普段は「埼玉県立歴史と民族の博物館」に収蔵されているのですが、仙波東照宮のものです。現存する作品数の少ない岩佐又兵衛の代表作の一つが川越にあると思うと嬉しいし市民としては誇りに思います。

「川越仙波東照宮の特別公開」なのでメインは東照宮そのものですし、博物館の展示のように見易く展示されているわけではなく額が掛かっていたのを再現しているので、高い位置に展示されているし、ライトも無いので鑑賞するにはちょっと見にくいのですが、本来の作品のあるべき姿を見られました。又兵衛も完成した時、同じように眺めたのかなと思うと感慨深いです。

本殿 内部と御神体が公開されました。
拝殿 内部に又兵衛の三十六歌仙額が飾られています。

ちなみにこの作品は寛永15年に火災で消失した仙波東照宮の復興のために依頼されたのですが、又兵衛の筆が遅いのか、忙しかったのか、まだ出来ないか、と督促状が残っているそうです。

そんな「三十六歌仙額」ですが、又兵衛の特徴の豊頬長頤(ほうきょうちょうい=頬がふっくらして、唇の下から顎にかけて長い)の姿で、細部まで緻密に描き込まれています。歌人の肖像画らしく静的で、絵巻や洛中洛外図屏風に比べると少々物足りない感じはしますが、毒々しさが抑えめで上品な作品です。

この作品は寛永17年(1640年)、又兵衛62歳の時の作品です。その10年後の72歳、江戸で亡くなっているので、晩年の作品ということになります。